小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

水道橋博士が安倍首相を批判してネトウヨから大炎上! 博士が12年前のインタビューで嗅ぎ取った安倍の反知性

〈オレなんて安倍政権の強権的やり方を、お笑いとして、からかっているだけだけど、それに対して本気で怒るひとたちが現れていて、ネトウヨとかもそうですけど、もはや、そういう人は自分の他人を圧する熱狂すら客観的に見えてないのかって不思議でしょうがないです〉
〈「日本人に誇りを」「日本は本当は凄い」「昔の日本人はこんなに偉かった」とか、朗々と語る、ぶっちゃけ偉そうな人が本当に増えて、そういう人が若者に説教する姿や、また、それをありがたがる若者の多さとか、正直、「よく言うよ」って溜息が出ますよ。〉

 一読して、すぐに浮かぶのが、これ、ここまで炎上するような発言なのか、という疑問だ。まず、アベノミクスについてだが、博士のいう通り、各種世論調査を見てみても、7割がアベノミクスの実感がない、または評価しないと回答している。「数こそ力で、リベラルを破壊していく」という安倍政権評も的を射たものだ。周知のとおり、安倍首相は国民の反対意見に全く耳を貸さず、数の力で特定秘密保護法や新安保関連法の可決を強行してきたし、内閣情報調査室や公安警察を使った野党攻撃、さらには、人事と金を使った党内リベラル勢力潰しを図ってきた。そして、今、中曽根康弘や小泉純一郎ですらやらなかった総裁任期延長を持ち出し、プーチン並みの独裁体制を築こうとしている。

 水道橋博士はこれらの事実を指摘しただけで、どこからどう見ても、暴言や間違いなどまったくない。安倍首相を「サイコパス」などと表現してきた本サイトからすれば物足りなさを覚えるほどだ。

 後段の安倍応援団批判、ネット右翼批判も博士の言う通りだろう。いまの日本社会は、有名人が安倍政権批判や政策批判をしようものなら、すぐさまネトウヨが飛んできて、「どこの国の人ですか?日本から出て行ってください」「反日芸人は死ね」などの悪罵が投げつけられ、炎上させられてしまう(いまの博士の状況がそれを証明している)。

 いや、ネットの炎上だけでなく、テレビ局に対しても電凸が組織的に展開され、その結果、テレビからは政権批判がほとんど姿を消してしまった。コメンテーターに起用された有名人やお笑い芸人も当たり障りのないことを言うだけ。そのかわりに、各局の情報バラエティは日本を覆う空気に媚びるような“日本スゴイ”番組で溢れかえっている。とにかくこの文章にかんしていえば、博士の主張はどこをとっても正論なのだ。

 しかも、博士は自ら「オレ個人の政治思想に関して言えば、基本的には右も左もない」「偉そうな人を見つけたら、お笑いとして職業的にからかうだけ」「政局だって、ただ『面白い』から野次馬的に眺めて分析するだけ」と言っているように、別にイデオロギー的立場からこうした批判を繰り出しているわけではない。繰り返すが、件の安倍政権批判も、ネトウヨや安倍応援団批判も淡々と事実を指摘したうえ、そのファナティックさを嘆いているにすぎない。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。