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天皇「生前退位」有識者会議メンバーの宮崎緑に経歴詐称疑惑! そもそもなぜ皇室問題のド素人が選ばれたのか

 これはどういうことなのか。「週刊文春」が東工大に問い合わせたところ、その回答は「もう資料が現存していないので確認できない」というもの。さらにこの経歴詐称疑惑について宮崎氏自身に自宅で直撃しているが、直撃の翌日、宮崎氏から「週刊文春」編集部に送られてきた名簿は〈彼女が同大の非常勤講師だったことを証明するものではなかった〉という。

 宮崎氏にきちんとこの“経歴詐称疑惑”を説明する必要があるだろう。というのも、宮崎氏は前述のように、生前退位有識者会議のメンバーだからだ。この有識者会議は、政府が政策決定に先立って、その分野で高い識見を有する人々の意見を聞くという目的で開催するものだ。そこで宮崎氏の学者としての経歴の正しさが問われるのは、当然のことだ。

 ただ、宮崎氏の有識者会議入りには経歴詐称以前の疑問もある。それは、彼女に皇室制度について意見を述べるだけの知見があるとはとても思えないからだ。千葉商科大ホームページによれば、専攻は国際政治学、政策情報学。ジャーナリストとしての経歴を見ても、皇室問題とほとんど関係がないし、憲法や法律の専門家でもない。歴史学や皇室問題に関する著作も見当たらない(というか、国際政治学に関するまともな著作もほとんどないのだが)。それがなぜ、「生前退位」という前例のない議論をする有識者会議に呼ばれることになったのか。政界関係者がこう解説する。

「宮崎さんは学問的業績やジャーナリストとしての実績はたいしたことがないんですが、政財界の人脈がすごい。例の逮捕された元夫との結婚式には、当時『NC9』のキャスターでありながら、中曽根康弘や宮沢喜一、竹下登、後藤田正晴など政界の大物、他にも当時の東電会長や経団連会長まで招待して『ジャーナリズムの風上にも置けない』『これじゃ、ただのジジ殺し』と顰蹙を買っていたくらいです。しかも、権力者に媚び、意に沿うようなことばかり言うタイプなので、政府の審議会や有識者会議に人数合わせでよく選ばれるんです。安倍首相にもかなり接近しているという話でしたね」

 実際、宮崎氏は2013年に、やはり専門外である日本版NSC設置を検討する有識者会議のメンバーになっている。このときの他のメンバーは、先の参院選で自民党から立候補して当選した青山繁晴氏や、“安倍首相の極右思想の指南役”とも言われる中西輝政京都大学名誉教授など、ウルトラ右翼のオトモダチばかりだった。

 しかも、安倍政権は、今回の生前退位有識者会議の人選にかなり苦慮していており、宮崎氏のような“ド素人”にまで頼らざるをえない事情があったらしい。

 というのも、周知のように、安倍首相の支持基盤である日本会議などの右派は皇室典範改正に強硬に反対をしており、安倍首相も生前退位を一代限りの特措法で対処する方針だからだ。しかし一方、天皇は皇室典範改正によって恒久的な生前退位制度の構築を望んでいる。つまり、今回の有識者会議は、天皇の希望を否定して官邸の言い分を代弁してくれるメンバーを集める必要があった。

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