14年4月には、飲み会で知り合った女性にストーカーの自作自演を行った愛知県警機動隊の男が懲戒処分を受けている。この事件では、女性宅にストーカーめいたメモを投函。彼女の不安を煽る一方で、「俺が守ってあげる」などと声をかけ交際に持ち込もうとしていたという。
14年11月には、埼玉県警岩槻署の警部補が「捜査に必要」と偽って知人女性の個人情報を照会するための書類を携帯電話会社に提出。虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検されている。その不正な情報照会の被害に遭った女性はなんと10人にもおよんでいたという。
そして、もはや警察官というよりも、ヤクザに近い事件を起こした警察官もいる。12年12月、警視庁万世橋署の警部補が売春クラブを経営していたとして売春防止法違反容疑で逮捕された。交際相手の女を店長にし、自らも合鍵を持って店に出入り。実質的な共同経営であったと報じられている。
これ以外にも、盗撮、セクハラ、痴漢、淫行などの事件は数多く、挙げていけば枚挙に暇がない。
しかし、なぜこんなにも警察官の不祥事は後を絶たないのか。『ヤバい!警察官』ではいくつかその原因となる要因が考察されているのだが、そのひとつが警察組織のパワハラ体質だ。
警察において上司の言うことは絶対。もちろんどんな組織でもある程度はそうなのだが、警察組織におけるそれは一般社会の基準から考えると明らかに度を超している。
婚約にあたって身辺調査が行われることから恋人ができれば上司に報告しなければならないことを始め、プライベートも上司によって徹底的に管理される。
休日の過ごし方や貯蓄の有無などを聞かれることもあるのだが、ここで「休日はたいてい寝ています」などと答えようものなら、強引に草野球チームに入れさせられたり、果ては『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治/集英社)を全巻読破(16年6月現在199巻)させられたという例まで『ヤバい!警察官』では報告されている。これには「ギャンブルなど金のかかる趣味に走らせないようにするため」という理由があるらしいのだが、はっきり言って「余計なお世話」である。