自分の不倫が大きな騒動になるや、妻にも謝罪をさせる。別居が明らかになるや、それを不貞行為のせいではなく“障がい”のせいにする。あまりに身勝手というしかないが、なぜか、多くのマスコミがすっかりこの論理に転がされている。
しかも、愕然とするのは、この別居→離婚危機騒動で、不倫報道自体が間違いだった、というような主張まで飛び出してきていることだ。
たとえば、前述の小倉も「複雑ですね。(別居は)報道したためにこういうことになってしまったのかな」と、ワイドショーの司会者らしからぬセリフを口にしていた。
しかし、改めて言っておくが、今回の不倫騒動をプライバシー保護の問題にすり替えることはできない。本サイトでも何度も指摘しているように、乙武氏は昨年12月まで東京都の教育委員を務め、自民党から今回の参院選出馬が内定していると見られていた公人だった。
そして、「週刊新潮」が報じたのは、単なる不倫ではなく乙武氏が政界進出にあたり、4年間付き合った愛人と別れる“身辺整理”の旅行に行ったというものだ。そういう意味ではベッキーを筆頭にした芸能人たちの不倫よりよっぽど報じる意味のあるものだ。
障がい者への偏見と差別意識をなくすためにも、マスコミは「愛人と別れさせられて妻の介護が大変になったから」などという一方的な主張を垂れ流すのでなく、きちんと離婚の原因を解明して報道すべきだろう。
(伊勢崎馨)
最終更新:2016.06.24 11:12