自由民主党HPより
公私混同疑惑によってついに辞職が決定した舛添要一東京都知事。その一方で、政権のトップ・安倍晋三首相にも、政治資金で「ガリガリ君」や愛飲する“若返りの水”、化粧品、ジュエリー、ウニの大量購入など、“公私混同”疑惑があることを一昨日、お伝えした。
舛添氏と大して変わらない安倍首相のケチっぷり、政治資金支出の不透明さは既報の通りだが、じつは、支出だけではなく“集金”の仕方にも問題が数多くある。
安倍首相の資金管理団体「晋和会」の政治資金収支報告書を見ていくと、まず、あることに気づく。それは2013年から行われている「安倍晋三後援会朝食会」なる政治資金パーティにおける収入の多さだ。
たとえば13年の場合、この朝食会を7月から12月にかけて月1回、赤坂にある高級シティホテル・ANNインターコンチネンタル東京で開催。参加者は多い月で420名、少なくて192名となっているが、これらによる収入がなんと8580万9895円にものぼる。
年間たった6回の朝食会で約8600万円も集めてしまうというのは、他の政治家の政治資金パーティと比較しても突出した儲けぶりだが、支出に目を移すと、この6回の朝食会のためにかかった費用(会場費と郵便料金など)は861万9047円(13年度)、経費は収入の10分の1にすぎない。つまり、安倍首相は朝食会だけで7719万848円を収入として得ているのである。
これは14年も同様だ。14年度はこの朝食会を計3回開催し、6196万円を得ている。この年に朝食会でかかった経費は545万1770円なので、じつに5650万8230円が収入だ。これを13年分と足せば、2年で約1億3000万円もの“荒稼ぎ”をしているのである。結果、14年度は、安倍首相は全国会議員のなかで堂々の5位という政治資金収入の多さを誇っている。
たしかに、こうした政治資金パーティで収入を得ることは違法ではない。だが問題は、安倍氏は総理大臣というポストに就く人間だということだ。
というのも、01年に閣議決定された「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」(大臣規範)では、国務大臣や副大臣、大臣政務官といった職務に就く者は「国民の疑惑を招きかねないような大規模な政治資金パーティーを自粛する」と規定されている。対して、安倍首相のこの朝食会は、1回の開催で多いときは約2300万円、少ないときでも約1900万円を集めており、十分「大規模」なものだ。ようするに、国務大臣の筆頭たる総理大臣みずから、この大臣規範を平気で破っているのである。