「電通ウェブサイト」トップページより
東京オリンピック招致にあたって、日本の招致委員会が賄賂を送金していた問題。マスコミはほとんど報道しないが、2億3千万円という疑惑の金を受け取ったコンサルタント・ブラックタイディングス社(以下、BT社)を紹介したのは電通であり、一連の賄賂工作は最初から最後までこの巨大広告代理店が仕掛けたものであったことは、もはや疑いようがない。
そして、招致委員会と電通を結びつけ、賄賂バラマキにも深く関与していると言われるのが、現在、五輪組織委員会理事を務める高橋治之氏だ。
高橋氏は元電通の専務で、長年、日本のスポーツマーケティングや世界的スポーツ大会を仕切ってきた人物。ところが、今回の賄賂疑惑をスクープした英紙「ガーディアン」のオーウェン・ギブソン記者が、会員制情報誌「FACTA」に書いた記事で、その高橋氏を賄賂疑惑の「接点」と名指ししたのである。
さらに、高橋氏の存在は国会でも取り上げられた。5月24日の参院文教科学委員会でも松沢成文議員が高橋氏について、「招致委員会と(疑惑の)コンサルタント会社との契約に深く関わり、国際陸連のディアク前会長と極めて親しい関係」「フィクサー」と指摘したのだ。
その高橋氏が、「週刊現代」(講談社)6月18日号の取材に応じ、疑惑について語っている。(「汚れた東京五輪 渦中の『電通キーマン』が本誌だけに核心を語った!」)
「あれは五輪招致委員会が払ったものであって、僕はまったく関係ありません」
高橋氏は疑惑を真っ向から否定し、自分の名前があがっているのは、五輪でのゴルフ競技開催場所について松沢議員が高橋氏を逆恨みしているなどとして「僕はまったく関係ないし、とばっちりです。ふさけんじゃないって話ですよ」と感情的なまでに怒りを露にしている。