さらに、セブンの自衛隊式の組織には、「特殊部隊」というのも存在するという。この特殊部隊というのは、売上金の送金を拒んだ未送金オーナーを、違法ギリギリの手口で脅しあげ、売上げを強制的に差し押さえる部隊のことだ。複数オーナーの証言によると、その挙動や雰囲気はヤクザそのもので、かなり訓練された「プロ集団」だという。
同書には、赤字経営に陥り、経費支払いのために、売上金の送金ができなくなったオーナーがこの特殊部隊から受けた恐ろしい体験が書かれている。
〈金庫のカギをとられ、「駐車場から毎日1時間おきに二人でドカドカと入ってきて、『オイ、どけ!』と言ってレジを開け、売上金を奪っていく」という状態が続いた。女性従業員の更衣室にも二人の監視員が24時間立ち、オーナー夫妻と従業員の行動を監視した。〉
さらに、加盟店教育も自衛隊方式だというのは『コンビニ店長の残酷日記』(三宮貞雄/小学館新書)だ。出てくるコンビニは匿名ながらも、セブンの軍隊式出店前研修の一端が垣間見れる。
「(出店前の研修は)自分と同じような加盟店オーナーが他県の研修センターに集められ、朝の8時から夜の8時まで、みっちり1週間の研修があり、さらに実店舗でも3泊4日の研修を受けた。(略)印象に残るのは軍隊のようなあいさつだった。こんなあいさつ、一生しないだろうと思うような大声で、みんなの前であいさつをさせられた」
こういった軍隊式な洗脳を受けさせることで、ブラックなフランチャイズシステムに順応する加盟店オーナーを作り出すということらしい。
何から何までが自衛隊というか、軍隊そのもの。こうしたシステムに支えられているかぎり、セブン-イレブンのブラック体質は変わることはないだろう。
(小石川シンイチ)
最終更新:2017.12.05 10:17