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鈴木体制崩壊でも変わらない…セブン-イレブンのブラック体質は「自衛隊人脈」が支えていた! トップ直属の特殊部隊も

 実際、この栗田氏が社内で存在感を増していくのと軌を一にして、同社は店舗の監視役に自衛隊出身者を大量投入していく。同書にはセブンオーナーのこんな証言が載っている。

「自衛隊出身のDM(ディストリクト・マネジャー=地域指導員)などが急に多くなりました。私のところにも、防衛大学を出て戦車中隊長をやっていたというのが転職してきましたよ。30歳過ぎでいきなりOFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー=店舗経営相談員)を飛び越えてDMになっていました」
「セブン本部には『オーナー相談部』ってあるんですが、そこの相談員に自衛隊出身者がいると聞きましたね。相談部は、オーナーたちの不満を聞いて共存共栄に役立てようという建前ですが、実態は不満分子をキャッチして、上に報告(して潰す)するのが本当の狙いなんですよ。そこで『オレは自衛隊出身で階級はどれくらいだった』と自慢するらしいですよ。インテリジェンスのプロが集められているんでしょうね」

 自衛隊出身者を投入しただけではない。栗田氏は社内の組織を自衛隊式に変えた。セブンには、加盟店を管理する役として、OFC、DM、そしてZM(ゾーン・マネジャー=地方総責任者・取締役候補)という役職があるのだが、さらにその上に、“ディビジョン”(Division)という指令部門を作る構想があったという。

「ディビジョンって、陸軍用語で『師団』という意味ですからねぇ。何をやろうとしたかがわかるでしょう」(同書・セブンの創業時をよく知る人物)

 結局、このディビジョン=師団構想は過激すぎるといいうことで、実現しなかったが、それに代わってできた「オペレーション本部」も実質的には師団構想とほとんど同じものだった。オペレーションというのも、「軍事作戦行動」からきており、できあがったセブンの組織は、陸上自衛隊のそれと酷似しているという。

〈セブンの「オペレーション本部」の下にある各「ゾーン」は自衛隊の方面隊の位置付けであり、DO=ディストリクト・オフィス(地区事務所)は各地に展開する部隊に該当しよう。〉

 そして、この組織は今も続いている。OFC、DMの上に取締役クラスのZM、自衛隊でいうところの方面総監がいて、地域を統括するこのフラットな連隊組織は、上意下達の指揮がとりやすく、加盟店との紛争時、秘密の漏洩を防ぐことができる。しかも、現場でトラブルが処理できないときは、取締役クラスの強面ZMが出張ってくるのだという。

 実際、同書には、このZMの圧力によって、自殺に追い込まれたオーナー夫妻のケースも紹介されている。

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