ところが、先日、当サイトでも取り上げたように、慎太郎元都知事はこんな不正をしていても、辞任に追い込まれることはなかった。さすがに、朝日新聞や毎日新聞などのメディアは大々的に報道したが、慎太郎元都知事のマスコミ人脈と作家タブーのせいで、他のメディアは完全に及び腰、前述のような逆ギレをされると、報道はあっという間に引いてしまった。
先日、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)でコメンテーターのジャーナリスト・青木理氏が「石原さんは舛添氏と比べてみるともっと公私混同していた」「もう少し、冷静に悪の軽重を見たほうがいい」と指摘していたが、まさにその通りだろう。
しかし、マスコミは今も、石原慎太郎元都知事の時代の疑惑は一切蒸し返そうとはしない。それどころか、慎太郎氏自身が自分のこと棚に上げて「舛添さんの問題は、あまりにもミジメ」「彼は、何度も結婚したり、離婚したりしているので、お金がない。気の毒だと思う」などというコメントを出したのをなんの批判もせず、ありがたがって紹介している。
そして、息子の伸晃氏はこうしたマスコミの沈黙をいいことに、冒頭であげたようなカマトト発言で舛添を批判し、自らポスト舛添に色気をにじませているのだ。
セコイ疑惑で袋叩きにあっている舛添都知事と、何をやっても許される石原ファミリー。いったい、この国のメディアの価値基準はどうなっているのだろう。
(井川健二)
最終更新:2016.05.26 08:05