「田母神俊雄公式サイト」より
昨日4月14日、元航空幕僚長の田母神俊雄が逮捕された。
田母神は2014年の東京都知事選の後、同じく逮捕された陣営の事務局長に現金200万円を支払い、さらに事務局長と共謀して、運動員らに現金計280万円を供与した疑い。これは公職選挙法で禁じられている買収行為にあたる。だが、実際には約2000万円もの資金を配布していた疑惑も浮上しており、今後余罪を追及される見込みだ。
また、都知事選の際に全国の支援者から集めた1億3265万円のうち、使途不明金は5000万円余り。一部メディアは、こうした使途不明金を田母神氏が横領し、愛人に高価なコートなどを買い与えていたなどと報じている。
まったく呆れる話だが、しかし、買収や横領以前の問題として、そもそも田母神サンといえば、差別丸出し発言や悪質なデマを吹聴してきた人物。本当に失笑せざるをえないのは、これまで、こんなトンデモな人物を時代の寵児のように崇め奉ってきた連中がいたという事実のほうだろう。
「閣下」とかいって持て囃してきたネット右翼たちはもちろんのこと、都知事選で「(田母神氏以外の候補は)人間のクズ」などと大応援した作家の百田尚樹氏らオトモダチ、そして、幕僚長を更迭される原因となったあのトンデモ論文はじめ、田母神サンを徹底的に擁護し続けてきた「WiLL」(ワック)などの保守論壇に日本会議のみなさんたち……。
断言するが、田母神サンみたいな私利私欲しか考えていない“ナンチャッテ国士”が何を勘違いしたのか政治家になりかけたのも、90%ぐらいはこうした極右界隈がヨイショしてきたからである。しかも、その“田母神応援団”のなかには、“安倍首相のブレーン”と言われる人物までいた。
その一人が、中西輝政・京都大学名誉教授だ。例の田母神サンが世に広く知られるきっかけになった論文は、「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者なのである」「私たちは多くのアジア諸国が大東亜戦争を肯定的に評価していることを認識しておく必要がある」などという“日本の侵略否定論”で、しかも、“日米開戦はルーズベルト米大統領の罠だった!”とか、“日中戦争はコミンテルンの仕業である!”というような、まともな歴史学者が一笑に付すような陰謀論であった。