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「トランプが大統領になったら日本を守ってくれなくなる」は嘘! 米国はもっと前から日本を守る気なんてない

 中国優位の理由としてあげられているのがミサイルの能力・精度のめざましい向上だ。米中が衝突した場合、中国は緒戦で沖縄・嘉手納基地やグアム・アンダーセン基地の滑走路をミサイルで徹底的に叩き、基地機能を失わせるという。米軍は最悪で1カ月超の間、戦闘機も偵察機も給油機も飛ばせなくなると予測している。

 つまり、日米の軍事協力をいくら強化しても、そもそも軍事力では中国にかなわない時代がやってくる。

 しかし、アメリカは“だから中国を上回る軍事力増強を”という結論には安易に走っていない。

 むしろ、重要なのは中国との関係改善、友好であり、とくに経済関係の強化は何にも勝る抑止力だと主張しているのだ。

「ランド研究所」が2011年に出したリポートには〈中国が対等な競争相手となれば、経済面では強力な潜在的パートナーとなる〉〈米中両国の経済は史上類を見ないほど密接であり、この相互依存は強力な抑止力となる〉とハッキリそう書かれている。中国を敵視し、軍事力強化こそが抑止だと考える安倍政権とは大違いだ。

  ついでに言っておくと、ペンタゴンの主流派も中国のミサイル射程に入る沖縄に米軍基地を集中させている現状は見直すべきだという考えに傾きつつある。海兵隊についても同様で、「辺野古移設が唯一の解決策」などと言っている場合ではないのである。

 ニューヨーク・タイムズ前東京支局長のマーティン・ファクラー氏も「週刊朝日」(朝日新聞出版)15年10月9日号の鼎談でこう言っている。

「米国は10年後には日本を見放して中国を選ぶかもしれませんよ。米国は、中国のことをかつてのソ連のようには考えていない。(中国を)世界的な覇権を狙っていないと考えていますから。むしろ、取引次第ではアジアは中国にまかせることもある」

 尖閣防衛については、かつて米軍の機関紙「星条旗新聞」(Stars and Stripes)が、〈われわれを無人の岩をめぐる中国との撃ち合いに巻き込まないでくれ〉と書いたことがある。米政府の要人は「日本の施政下にある尖閣諸島は日米安保条約の範囲に含まれる」とのリップサービスをたびたび口にするが、尖閣の領有権については関与しないという立場を堅持している。もし、尖閣諸島の領有権が中国に移った場合は、日米安保の対象外になるという意味なのだ(ロシアや韓国が実効支配している北方領土や竹島に米軍が出動しないのはこのためだ)。

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