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安倍、菅の高額ガソリン代はなぜ追及されない? 山尾追及の「新潮」は「安倍さん、菅さんは地元を回っている」と露骨擁護

「額面通りには受け取れませんよ。神奈川県全体が菅さんの選挙区みたいなものですから。それに12年の12月まで自民党は野党で、もちろん菅さんは官房長官でさえない。だから本人も地元を隅なく回っており、ガソリン代が嵩んだのでしょう」

 神奈川全体が選挙区とか、与党時代より野党時代のほうがガソリン代がかかる、とか、説明がむちゃくちゃだが、一番すごいのは、この「政治部デスク」の言葉をつなぐ「永田町関係者」の弁だ。

「菅さんは(山尾議員の疑惑が報道された後)、“そんな額のガソリン代なんてあり得ないよなぁ”と周囲に言っていました。(略)要するに、“自分は地元をしっかり回っている。その結果が地球5周分なんだ”という意味合いで、強気なんですよ」

 普通、菅官房長官が「そんな額のガソリン代なんてあり得ないよなぁ」と言っていたという証言がとれたら、「あなたも“そんな額”を計上してましたね」と“巨大なブーメラン”を突きつけるのがジャーナリズムの定石だ。ところが「新潮」は、逆に「地元をしっかり回っている」証拠として、これを言い始めるのだ。

 まるで、本サイトが安倍首相と菅官房長官のガソリン疑惑を報じた際、血眼で擁護していたネトサポ、ネトウヨのみなさんとほとんど同じレベルではないか。

 というか、この支離滅裂で露骨な擁護記事によって、「新潮」の山尾議員追及記事が本サイトの指摘どおり、官邸=内閣情報調査室の仕掛けだったことが証明されたといっていいだろう。

 前回の記事でも指摘したように、新潮と内閣情報調査室は以前から、定期的に会合をもっているズブズブの関係。しかも、内調はこの山尾氏の政調会長抜擢が浮上した2月頃から複数のメディアに同氏の政治資金疑惑を持ち込んでいた。

「新潮、産経がこのリークに飛びついて記事にしてくれたところまでは、官邸の計算通りだったんでしょうが、ネットで、安倍首相や菅官房長官が山尾政調会長よりもガソリン代を使っていることを指摘されたしまった。そのため、官邸は返り血を浴びかねないと大慌てになって、今度は、無理やり、「新潮」を使って擁護記事を書かせたたんでしょう。あの記事を読むと、そうとしか思えませんね」(政界関係者)

 官邸と安倍応援団メディアの謀略体質には改めて愕然とさせられるが、しかし、こうなるとテレビ局が安倍首相や菅官房長官のガソリン代疑惑を追及していく可能性はかぎりなくゼロに近づくだろう。あとは、山尾政調会長だけを追及するのか、あるいはバランスをとるためにどちらの疑惑も追及をしなくなるのか。

 いずれにしても、今回のガソリン代疑惑はこの国のマスコミの御用体質とヘタレっぷりを証明するだけの結果に終わってしまいそうだ。
(田部祥太)

最終更新:2017.11.24 09:44

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