自由民主党HPより
戦後日本の安全保障を180度転換し、文字通り“戦争のできる国”にしてしまった安保法制が、3月29日、ついに施行されてしまった。これは明確な違憲で、現在でも全国各地で廃止運動が起きている。
ところが最近、政権与党はさかんに「国民の理解が広まってきた」なる“大ホラ”を吹聴し始めている。たとえば、菅義偉官房長官は29日の会見にて、自信満々でこう述べた。
「昨今の世論調査では、(賛否が)逆転するところもあり、ほとんど接近してきているのではないか。法成立当時に比べて国民の理解は大幅に進んできていると思う」
あるいは、3月29日放送の『NEWS23』(TBS)に出演した、自民党の小野寺五典・前防衛相は、討論相手の民進党・辻元清美議員に反論するかたちでこう言った。
「実は、法案成立のときは、賛成3割、反対6割だったのですが、直近の調査では賛成6割、反対3割になっています」
ようするに、“最近の世論調査では安保法に賛成が6割だ。国民は安保法の正しさを理解したのだ”と言いたいらしい。
だが、これは大ウソもいいところだ。事実、最近の各社世論調査を見てみると、施行直前の共同通信による全国電話世論調査(3月26、27日)では、安保法を「評価しない」(49.9%)が「評価する」(39%)を約10ポイント差で上回っている。
また、毎日新聞による電話世論調査(3月5、6日)でもやはり、「集団的自衛権の行使など、自衛隊の海外での活動を広げる安全保障関連法が3月末に施行されます。あなたは安全保障関連法の制定を評価しますか」との設問に対して、「評価しない」(49%)が「評価する」(37%)を上回っており、共同通信の調査とほぼ同じ数字を示している。
さらに、安保法を積極的に支持する読売新聞でさえ、直近の電話調査(3月4〜6日)の「あなたは集団的自衛権の限定的な行使を含む、安全保障関連法を、評価しますか、評価しませんか」の質問に、やはり「評価しない」(47%)、「評価する」(38%)という結果が出ている。