しかし、この“上から目線”こそがロバートソン氏の特徴なのだ。たとえば、昨夏の安保法制反対デモで注目を浴びたSEALDsに対しても、ロバートソン氏は同じ「週プレ」の連載でこんなことを語っていた。
〈「SEALDs」という政治アクション。「若い人が戦争法案に反対の声を上げた」という文脈で、メディアは好意的に取り上げてますが、率直に言って、彼らの運動には決定的に知性がかけている。反原発運動が「原発の上に成り立ってきた日本の繁栄」という苦々しい現実を無視したように、彼らは目の前にある「軍事リスク」に言及しない。〉(「週刊プレイボーイ」15年8月17日号)
あのね、SEALDsはじめ安保法制に反対している人たちは軍事リスクに言及していないのではなく、安保法制で軍事リスクは解消できないし、むしろ高まると主張していたのだよ。しかも、日本の繁栄は原発の上に成り立ってきたとか、いったいこの人は何を見ているのだろう。こんな根拠のない妄言、短絡思考を恥ずかしげもなく開陳しておきながら、ロバートソン氏は相手に平気で「知性が欠けている」と平気で言ってしまうのだ。原発については、ロバートソン氏はこんなことも言っている。
〈「脱原発」という発想は、再生可能エネルギーですべての電力を賄うにせよ、海底ケーブルで電力を輸入するにせよ、現実的には難しいことをできるかのように思い込ませるような、一種の言葉の魔術に近い。(略)脱原発という騒動は、「脱科学」という言葉に置き換えられると思います。〉(「週刊新潮」15年7月30日号/新潮社)
こちらも、再生可能エネルギーですべて、とか海底ケーブルで輸入だとか、誰も主張していない計画をもちだして、「現実的には難しい」とドヤ顔で語り、「脱原発」を「脱科学」だと決めつける同じパターン。しかも、この記事、電力会社の司令塔的業界団体・電気事業連合会が提供したパブ記事なのだ。自分は原子力ムラからお金をもらっておいて、「脱原発が脱科学」などとエラソーに語っているのだから、“上から目線”に加えて“恥知らず”という称号も加えてあげたくなる。
この2つの文章からもわかるように、何か頭よさげに意味ありげなことを語っているロバートソン氏だが、実際は安全保障やエネルギー問題に具体的な知見をもっているわけではない。これは、他の発言も同様で、どれを見ても中身のある政策分析や提言などはほとんど語っておらず、ひたすら政権や体制を批判する意見を腐し、攻撃しているだけなのだ。
きわめつけの映像がある。安保法制が国会で審議されている最中、15年7月21日放送のニコニコ生放送で、ロバートソン氏は日本共産党の「ストップ戦争法案 憲法違反は許しません」というタイトルのビラを読み上げながら、こうはしゃいでみせた。
「ひらがなで『じゅうりん』ってのが、いかにも左っぽくて最高!」
「またこの『つうじて』が(ひらがなで)、何これ? もしかして日本語があまり分からない人とか、日本で働いてる外国の人にもなんか頑張ろう!みたいな感じ? (ひらがなで)『うきぼりに』っていうのもまたすごいです(笑)」