実は、今井は昨年の終戦記念日である8月15日に、こんなツイートを行っていた。
〈今日は8月15日、終戦の日です。テレビでもネットでも戦争のことが流れている。体験者が語る戦争の怖さ、苦しみ、悲しみ。目の前で仲間が死んでいく、我が子が戦地にいく、その想いを想像するとわたしは生きていけない。死が怖いことは、まだ生きたいっていうこと。戦争は何があってもダメ。〉
〈戦争を経験した方で戦争賛成派の方いますか?もしそういう方がいらしたら、どうして賛成なのかを聞きたい。戦争を経験していない人が賛成!というのは、どこか説得力がないでしょ。今の日本の流れを拝見すると、どこかプチ戦争なら賛成!みたいに見えるのはわたしだけでしょうか?〉
時期的にはちょうど安保法制の議論が大詰めだったころ。そのため安保法制を批判したツイートとして拡散され、かたやネトウヨたちが大炎上させるという“事件”になっていたのだ。
それにしても、「プチ戦争」とはまさに言い得て妙であり、芸能人として社会の流れに一石を投じようとする、勇気ある投稿だ。しかも、今井は2014年にも沖縄慰霊の日に「繰り返したくない」と題した文章を投稿。そこでも〈二度と同じ悲しみがあってはならないと願う。そして、時代は廻ると言うが、戦争は絶対に繰り返しちゃいけないと思う。忘れないように…〉と綴っている。
また、今井は、08年に放送された『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)で、息子が高度感音性難聴であることを告白。175Rの元ボーカル・SHOGOと離婚した後はシングルマザーとして息子のハンディキャップと向き合っているが、やはりブログではこんなことも綴っている。
〈五体不満足=不幸せではない世の中になるよう、母として息子を全力でサポートできればと思ってます〉
〈聴覚障がい以外にも、様々な障がいがある。その障がいが「障がい」じゃなくなるような環境作りができればいいなぁ〉
我が子だけではなく、みんなが生きやすい社会にしたい。今井のこうした言葉にふれると、なるほど彼女は政治家に向いているような気もしてくる。しかし、だからこそ「なんで自民党?」と首をひねらざるを得ないのだ。もし自民党から出馬して当選すれば、安保法にかんして賛成の立場を取ることになるだけでなく、社会福祉の充実どころか、その費用を削って軍事費に回すという今の思いとは逆さまの政策に手を貸すことを強いられてしまうからだ。