辞任は秒読みか(衆議院議員 甘利明 公式サイトより)
甘利明・経済再生兼TPP担当相の賄賂スキャンダルは緊迫の度合いを増してきた。「週刊文春」(文藝春秋)が報じた当日21日の参院決算委員会での激しい追及に続き、翌22日の衆院本会議では、甘利氏の経済演説を野党各党(民主、共産、維新、改革結集、生活、社民)がボイコット。実名告発で領収証やテープなどの証拠もそろっていることから、今週中にも甘利大臣は辞職必至の情勢だと言われている。
しかし、大臣を辞職したくらいでは、この件は済まないかもしれない。というのも、あの東京地検特捜部が久々に本格的な政界捜査に動き出すという見方が濃厚だからだ。
「甘利氏を近く告発する動きもあり、特捜部は慌てて対応策を検討中です。実は、特捜部内にある3つの捜査班のうち、直告班は下村博文・前文部科学大臣を狙う三重県の教育特区事件、ほかの2班は、福島道路談合事件や村上ファンドを捜査しているため、現状、余裕がないと見られていました。しかし、国会での甘利氏の答弁を見て、これはやるしかない、という空気になったようです」(全国紙司法クラブ記者)
特捜検事たちが注目しているのは、21日の参院決算委員会における甘利氏の発言だ。ポイントは3つある。
1.「週刊文春」が報じた千葉県白井市の建設業者からの金銭授受疑惑について「記憶があいまい」として明確には否定しなかった
2.都市再生機構(UR)と建設業者との間で起きたトラブルを解決した後、同社と大臣室や神奈川県大和市の地元事務所で再度面会したことを認めた
3.甘利氏の地元事務所長が業者と個別に面会し、金銭授受を行ったことについて「報道で初めて知った」と発言し、否定することはできなかった
大手紙の社会部デスクが分析する。
「検察は、疑惑報道が出ると決まって、当事者の釈明を子細に検討する。今回、『文春』に決定的ともいえる証拠を突きつけられ、甘利さんは金銭授受や面会の事実を否定できなかった点で、容疑を半分認める『半落ち』になっている」