NHK連続テレビ小説『あさが来た』公式サイトより
現在、安定して高視聴率を叩きだしているNHK連続テレビ小説『あさが来た』。年末の『第66回NHK紅白歌合戦』では放送中の朝ドラとしては初の紅白特別編として時間を割き、主要キャストが勢揃いして寸劇を披露した。
この好調ぶりに笑いが止まらないのが、NHK・籾井勝人会長だ。11月の定例会見では、記者から『あさが来た』の質問が飛び出すと「よくぞ聞いてくれました!」「見てて楽しいでしょ?」と大はしゃぎ。今月7日に開かれた会見でも、AKB48による主題歌「365日の紙飛行機」を「歌詞が気に入っております」と言い、「会長就任から今年で3年になります。全力で飛ぶ紙飛行機のように、前向きなドラマの主人公あさのように全力で駆け抜けたい」と宣言した。籾井会長の気分はすっかりヒロインであるらしい。
しかし、気持ち悪いまでに籾井会長が浮かれているのは、高視聴率だけが原因ではないだろう。ヒントは『あさが来た』の内容にある。同作が前半にメインで描いていたのは、ヒロイン・あさが炭鉱事業に乗りだし、炭鉱に明治期の日本の希望を見出していく姿。これが籾井会長の小躍りの理由だったはずだ。
というのも、じつは籾井会長の実家は「籾井鉱業」。『あさが来た』と同じく炭鉱業を営んでいたのである。
籾井鉱業は昭和23年、野上鉱業から譲り受けるかたちで福岡県田川市に開いた。籾井会長自身も前述の11月定例会見で「第二次世界大戦後に石油に転換してしまった時期のうちの炭鉱とは、時代が違いますね」と述べているように、あさのモデル・広岡浅子が潤野炭鉱を買収したのは明治19年であるため時代は異なるが、同じ筑豊の炭鉱であるという点は共通している。
この符号から、NHK局内では内容決定当初より「籾井会長を喜ばせる点数稼ぎの企画」「炭鉱の話とは露骨すぎる」と囁かれていたらしい。