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ストリートチルドレンから銀座のホステスになった女性が告白する壮絶人生! 清原和博やワコール社長のことも…

「あのね、あんたも、もうこの家にいるよりは外に居て、友達といるほうが楽しいんじゃないの? 実は、ミッチ(義母)は妊娠しているんだ。おまえがいると腹の子が心配だ。どこか、友達の所でも行ったらどうだ。もう、この家から出て行ってくれ」

 若い再婚相手に泣きつかれた父親は、何のあてもない13歳のわが子を無一文で放り出した。しかも娘が勝手に家出したと世間体を繕うためにアパートを借りてくれることもなかったという。

 友達のあてなどもちろんない。こうして行き場を失ったマリカは13歳で”浮浪児”となり街を彷徨うことになる。

 その間、路上で焼肉を食べないかと誘ってきた男の車に乗りどこかに連れ去られそうになったり、工事中のビルを探して中で眠ったり。あまりの空腹にパンを万引きし、残飯をあさることもあった。

「本当にお腹が空き過ぎて、生命の危機を感じた時にひらめいたのが、オートロックのないハイツやアパートや団地に忍びこむことだった。(略)日本人のマナー意識や衛生概念も今ほどではなくて、出前の食べ残しをそのままの状態で玄関先に放置している部屋が多数あったのだ。その、誰のものとも知らない残飯を食べて生き延びた」

 現在の子供の貧困、社会問題化するネグレクトの原点を見るようだが、しかしマリカの特筆すべき点は、その後、様々な人々との出会いを糧に、その運命を自力で切り開いていったことだろう。

 浮浪児となった13歳のマリカは、街を彷徨った後、知り合いのつてもあり年齢をごまかしてミナミのホステスとなり、200万円ものバンス(前借り)と家を確保することに成功する。だがほどなく仕事をさぼるようになったマリカは追い込みをかけられるが、「黒服の帝王」と言われる人物やクラブを任されていた潤子ママ、そして後に脱税で逮捕されることになる年上の“愛人”などと出会い、どうにか生き延びていくのだ。もちろんそれは様々な大人の欲望に巻き込まれながらだったが。

「当時はまったく気が付かなかったが、きっとあたしは、自分の知らないうちに、借金を自分の身体で返済していたのだろう」

 その後も鑑別所送りになったり、46歳くらいの年上男との性愛に溺れるなどの10代とは思えない波瀾万丈の生活を送るマリカだが、そんな生活から抜け出すため、16歳の時、東京に出ることを決意する。そこではさらなる衝撃的出会いがあった。

 上京のため新幹線に乗ったマリカは偶然隣の席に座った男性から声をかけられ、ブラジャーのメーカーを聞かれた。
〈「ええと、今日はワコール」
「ええー、ほんまかいな」
「……ほんまですよ。それが何ですか」
「いやあ、ほならちょっと背中触らせてくれる? ホックのとこ」〉

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