もし、トランプが大統領になれば、当然、北朝鮮に対してはオバマ政権時代に比べ、より厳しい姿勢で臨むことになるだろう。日韓に対してもさらに強い軍事負担を強いてくるはずだ。
なにしろ、昨年8月にラジオ番組に出演した際、直近にあった韓国と北朝鮮との銃撃戦について言及し、「アメリカは軍隊を送って韓国を守る態勢だが、得られるものは何もない。クレイジーだ」「アメリカは韓国を助けるのに、なぜ韓国はアメリカを助けない。韓国は充分に豊かな国だがアメリカが防衛していることに対して補償を支払っていない」などと暴言を吐いている。トランプにすれば、この「韓国」を「日本」と置き換えても同じだろう。
いずれにせよ、今回の北朝鮮・金正恩の“暴走”は間違いなく日本とアメリカの右派陣営を勢いづかせることになる。とくに安倍政権下の日本では、ここぞとばかりに自衛隊がアメリカに差し出され、改憲の動きに誰も異を唱えることができなくなる。もしかしたら2016年はそんな「終わりの始まり」の年になるかもしれない――。
(野尻民夫)
最終更新:2016.06.21 07:32