小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

小泉純一郎「安倍政権批判」インタビューで明らかになった「原発ゼロ」への次の一手! やはり進次郎と…

 そして、その毎日新聞のコラムが話題となってちょうど2年目、ブームも下火になりつつあるタイミングで、今度は朝日新聞を使って06年の首相退任以来、実に9年ぶりの単独インタビューを掲載することになったわけだ。

 今年2015年は「原発再稼働元年」といわれ、小泉も精力的に動き回っていた。4年前に大地震のあった3月11日には福島県喜多方市で講演し、安倍首相が「アンダーコントロール」と発言していることについて、「全然(コントロール)されていない。よくもああいうことが言えるなと思う」と発言、6月には川内原発のお膝元の鹿児島市での講演で、安倍政権が原発依存度を維持しようとしていることに触れ、「選挙で(依存度を減らすと)言ったことを、もう忘れちゃったのか」と批判した。同月15日には反原発知事として知られる泉田裕彦新潟県知事を“激励”に訪れて、10月29日には大間原発(青森県大間町)の建設差し止め訴訟を起こしている函館市に足を運び、市長に“応援”を約束した。

 こうした流れのなか、川内原発が再稼働したまさにそのタイミングで、朝日新聞に〈原発再稼働は間違っている 小泉元首相インタビュー〉が掲載される。当然、これもおおいに話題となった。どのタイミングで何を言えばメディアが食いついてくるか、小泉はそれを熟知している。そして、今回の文藝春秋でのロングインタビューだ。

 4時間半におよぶ小泉の独白は僚誌「週刊文春」にも一部転載された。発売日の12月10日には全国の新聞各紙に文藝春秋、週刊文春のそれぞれの広告が掲載される。そこには〈小泉純一郎〉の文字がデカデカと載り、健在ぶりがアピールされるという寸法である。

 この間、小泉は原発についての話はするが政局に関する発言は一切していない。なぜなのか。常井記者の質問に、小泉はこう答えている。

〈できるだけ政治に口出ししないというつもりでやってきたんだ。原発だけは例外。あちこちに口出ししたらきりがないんだ。そうすると、最優先事項の影が薄くなるんだよ。私が原発の講演をしても、もし安保法制とか消費税の話をしたら、今の報道は必ずそっちを取り上げる。それをわかっているから一切しゃべらない〉

 これも一種のメディア操縦といえるだろう。では、この小泉の「原発即ゼロ」運動が自民党にとって脅威となるかといえば、実は必ずしもそうではないのだ。小泉の戦略は、かつて「自民党ぶっ壊す」と言って、自民党を延命させ、その権力を使って郵政民営化の野望を遂げたときと同じ手法を考えている。あくまでも「自民党」がベースなのだ。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。