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小泉純一郎「安倍政権批判」インタビューで明らかになった「原発ゼロ」への次の一手! やはり進次郎と…

〈あれは最初に総理が(翁長雄志県知事を)門前払したのがいけないよ。反対派が知事選で勝ったのに、応援したほうが負けたから会わないとか、わからんね。今頃会ったって遅いよ。あれじゃ普天間が困っちゃう〉

 だが、インタビュー全体から伝わってくるのは安倍批判というよりも、「原発即ゼロ」に向けたこの男のしたたかで計算づくのメディアと政治に対する戦略だ。

 小泉が前述の朝日新聞のインタビューに応じたのは今年9月9日のことだった(掲載は13日)。この日は、奇しくも安倍首相が自民党総裁に再選された翌日で、川内原発1号機が営業運転を再開する前日だった。このタイミングから「小泉がいよいよ勝負に出るぞ!」と解説する向きも少なくなかった。だが、今回の常井記者のインタビューでは、〈あれは別にただ日程が空いていたから。時期的にも夏休みが終わって丁度いいかなと思ってね〉と、はぐらかしている。しかし、これは額面通りに受け取れない。小泉のメディアに対する嗅覚は、まさに天性と言っていいほど鋭いものだからだ。

 そもそも、小泉の「原発即ゼロ」主張が“全国区”になったのは、毎日新聞の山田孝男・特別編集委員が13年8月26日付(朝刊)の連載コラム「風知草」で〈小泉純一郎の「原発ゼロ」〉という記事を書いたことだった。山田は、フィンランドの核廃棄物最終処分場を視察し、帰国した小泉の次のような言葉を紹介している。

〈──今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが。
「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」
(中略)
「必要は発明の母って言うだろ? 敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」〉

 それまでも地元横須賀での講演会や選挙の応援演説などで脱原発を口にすることはあったが、「即ゼロ」という考えが明らかになったのはこのコラムが初めてだ。原発推進側だったはずの元首相が、ここまで過激に脱原発を主張するのか。この記事がきっかけとなり、小泉の脱原発姿勢が一気に世の中に広がった。旧知の新聞記者の筆を使ってブームを演出したと言ってもさしつかえない。

 その約1カ月後、小泉は東京・六本木ヒルズで行われたビジネス誌「プレジデント」50周年の記念フォーラムで講演をする。毎日新聞のコラムが出た直後だっただけに多くのマスコミが駆けつけた。その大きな舞台で改めて、すべての原発の即時廃止と自然エネルギーへの転換を訴え、ブームはさらに大きくなった。毎日のコラムとヒルズの講演、たまたま時期が重なっただけと思う人は少ないだろう。

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