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これでも奨学金は自己責任なのか? サラ金より過酷な取り立て、巨額延滞料、それでも借りるしかない現実!

 その後、子育て費用も捻出しなければならないし、両親ともに同額の奨学金という“借金”を背負っている場合もある。大学を卒業しても正規雇用されないケースが増えており、それを考慮すれば負担は増大だ。しかも問題は延滞者への回収やペナルティの強化が進んでいることだ。

「延滞が3カ月に達すると、延滞者の情報を個人信用情報機関(全国銀行個人信用情報センター)に登録します。一度登録されると、延滞が解消してからも5年間は登録されたままとなります。登録された期間はローンやキャッシング、クレジットカードの審査には通らない可能性が高くなります」

 それだけではない。延滞した場合、救済措置はほぼない。返済猶予や延長はあるが、それは基本、延滞金付きだ。そして支払いは延滞金、利息、元本の順となり、延滞金は10%で、元本の10%以上の金を支払わなくてはならなくなるという。

 サラ金と指摘される所以だが、本書では難病を患い貧困状況にあるL子さん(26歳 2010年卒業)のケースが紹介されている。L子さんは大学4年間で480万円の奨学金を借りた。ところが卒業と同時にバセドー病を発症して収入が減り、9カ月延滞してしまう。

「ところが支払いが滞り、返済開始から1年も経たない2011年9月1日に一括請求されます。未払い元金はこの時点で19万円。元金だけをみれば9か月分の滞納です。その状況で、月末の27日までに500万円以上の金を一括で払え、という内容です」

 もちろん支払えないL子さんだったが、日本学生支援機構はすぐに裁判所に支払督促を起こす。L子さんの困窮状況を知った上でだ。しかも裁判で日本学生機構はほとんど歩み寄る姿勢さえみせなかったという。

 このように、滞納者に対して一切の事情を鑑みず一括返金を求める。それが日本学生支援機構なのだ。

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