丸川珠代オフィシャルサイトより
10月7日に発足した第三次安倍改造内閣において、環境大臣として初めて入閣した丸川珠代参院議員(44)。2007年の参院選出馬の過程で見えてきた、その権力へのすりよりと、ネトウヨ的な発言のかずかずは本サイト既報の「環境相就任挨拶で「私はみなさんの妹」丸川珠代が危険なのはネトウヨだからじゃない! オヤジ殺しテクに注意!」にある通りだが、しかし、丸川珠代氏はある時期まで、リベラルなスタンスの発言をするタイプの人間であったのだといえば、きっと驚かれる読者が多いことだろう。
しかし、それはまぎれもない事実だ。かつて丸川氏がリベラルな物言いをしていたということを示す典型的な事例は、03年に刊行した金子勝・慶応大学教授との共著『ダマされるな! 目からウロコの政治経済学』(ダイヤモンド社)の内容であろう。当時の小泉政権によって進められていたネオリベ的な小泉改革や、米国ブッシュ政権によるイラク戦争の強行などを鋭く批判しているのだ。
例えば小泉改革については以下の通りである。
「小泉総理の構造改革をやると、どんな社会になるでしょう。不良債権処理を進めれば、大きな企業が倒産し、失業者が街にあふれ、銀行が潰れて資金は逼迫し、ハゲタカ・ファンドに資産を買い漁られ、整理回収機構の厳しい取り立てが債務者を追い込むのではないか。規制緩和を進めれば、激しい競争が起きて、社会は、一部の大金持ちと、たくさんの貧乏人に分かれてしまうのではないか。年金改革や医療改革を進めれば、給付が減り負担が重くなって、ますます将来の不安が大きくなるのではないか。人々に不安と不満が募り、働いて価値を得る意欲を失い、犯罪が多発し、新しい未来を生み出す希望が失われていくのではないでしょうか」
安倍首相べったりの現状からは考えられない、ずいぶんと原則的な小泉改革批判ではないか。