いや、そもそも法案自体が議論にもならないシロモノで、過半数以上の国民が反対しているなかでは、その声に対して政府が対案を出すのが筋って話。政府が垂れ流す中国脅威論に煽られまんまと乗せられているほうが「平和ボケ」だ。だいたい、この法案が「アメリカの言いなり」でしかないことは国会での質疑でもすでに明らかになっている事実である。それも松本はわかっていないのに、でも、すごく堂々としている。
もしかしてこの人、産経新聞しか読んでいないのでは……?とイヤな予感が頭をよぎるが、実際、松本の発言に『正論』(産経新聞社)は大喜び。連載のメディア座談会では「松本さんの発言は非常に良かったですね」「その通り!」と大絶賛している。
ヨイショに弱い松本のこと、次はネトウヨ芸人としての活路を見出してもおかしくはない。それ、ほんとに笑えないんですけど。
●9位/田原総一朗(ジャーナリスト)
違憲でも対案ないなら反対するな! 反骨のジャーナリストもいまやたんなる“対案厨”
影響度★★
犯罪度★★★★
松本と同様に“対案厨”っぷりを見せつけたのが、過去には“反骨のジャーナリスト”などと呼ばれた田原総一朗だ。田原はキャスターの長野智子のインタビューで、「25日の毎日新聞の社説でも『この法案を廃絶しよう』と言ってる。やめて、じゃあどうするの? 対案がないんだよ」「対案がない批判なんていうのは通用しないんですよ」(「ハフィントンポスト」6月30日掲載)と対案を連呼。長野が「そうすると、憲法学者が違憲だと言った今の状況でも、田原さんはこの法案はもう通っても仕方がないな、という思いですか?」と尋ねると、「だから、通さないというのにリアリティがないんだよ。もっと本気の討論をすべきだと思っている」と言い切った。
え? では違憲の法案でも通しちゃうの?って話である。それに野党はこの間、いかに安保法案が杜撰かを再三突きつけたが、与党はどれもこれもまともな答弁ができないばかりか、ついには安保法案の必要な理由として主張し続けていた「ホルムズ海峡での機雷掃海」も「日本人母子を乗せた米艦防護」も撤回。いまでは安保法に立法事実さえない。繰り返すが、対案以前にボロボロの法案だったのである。
しかもこのインタビューは、6月26日深夜の『朝まで生テレビ!』に与党議員が揃って出演キャンセルした直後に行われたもの。ここで田原が徹底的に指弾すべきは、与党の話し合おうとしない腰抜けっぷりのほうだったはずだ。“反骨のジャーナリスト”が聞いて呆れる。