前述のシミューレーションでは、野党連合をつくるだけで拮抗する選挙区が宮城県、香川県など5〜6選挙区あるが、自民党がこれからさらに得票数を落とすと、これらの選挙区はすべて議席を失うことになる。また、比例区も、このままいけば、与党と安保法制賛成派が5〜8議席は減らすだろう。
単純に計算すると、自民、公明など安保法制反対派は最大25議席減。もちろん、非改選議員の数では与党・安保法制賛成派が野党・安保法制反対派を50議席以上上回っているうえ、維新が今後どうなっていくかなど、不確定要素もある。
しかし、そうしたことを前提にしても、野党が共闘すれば、反対派が賛成派と拮抗の状態にもち込めるのは確実であり、状況によっては、与野党逆転も十分ありうる。
それは当然の話だろう。繰り返すが、なにせ過半数以上の人が反対していた今国会での安保法制成立を、「ていねいな説明」とやらもなく、おまけに“国民の支持なんてなくてOK”とバカにしたまま、安倍首相は独断で行ったのだから。
現に、19日深夜、安保法案が参院本会議で強行採決された後の国会前反対デモでは、「(安保)賛成議員を落選させよう!」というコールが上がった。SEALDsの中心メンバーである奥田愛基氏も、先日開かれた日本外国特派員協会での会見で「野党がうまく協力していただければ次の選挙で応援をしやすくなる」と言い、反対デモの動きが安保法案に賛成した議員の落選運動というかたちに移りつつあると口にしている。
あとは野党がほんとうに小異を捨てて大同につけるか、だ。少なくとも共産党は単独でも十分議席を伸ばせる状況にありながら、安保法制を廃案に追い込むために決断した。民主党や維新はぜひ、この共産党の呼びかけに乗って、「戦争法廃止の国民連合政府」を実現させてもらいたい。
憲法違反を犯した上、国民の声も聞かずに勝手に戦争法案を押し通した安倍首相を止めるには、これがいちばん手っ取り早い方法なのだから。
(編集部)
最終更新:2015.09.21 11:47