学生と話していると、時に「日本テレビに行けば清水さんみたいな調査報道ができるんですか?」と質問を受けることもある。しかしながら清水は「環境は関係ない」ときっぱり。最後にこう念を押した。
「例えば桶川事件報道も、もし週刊誌的なスタイルを貫こうとすれば『ブランド好きのお姉さんが男をフったらストーカーされて殺された』っていうストーリーになったと思う。僕はそういう、週刊誌的なステレオタイプの報道をまったくやる気がなかった。だから、ある意味ではもっとも週刊誌スタイルではない記事を書き続けたんだよ。『週刊誌だからできた』とか『テレビだからできた』なんて既成のカテゴリーでものを考えている限り、現状打破なんてできるわけがない。
安保法案にしてもそう。政府に自分の意思を示したいならSNSをやったって、国会前に行ったっていい。我々一人一人には『表現の自由』があるのだから。メディア種別や所属会社、立場なんて関係ない。そんなのは言い訳でしょ。小さなことに拘ったり、方法論で悩むのではなく『伝えた方がいい』と信じたことを実行することにこそ意味がある。やる人ってのは、やる。どんな環境で、どこにいても必ずやるんだよ」
(インタビュー・構成 松岡瑛理)
最終更新:2015.09.16 03:04