「同じ小学館発行の『女性セブン』の8月6日号では都内で生活するAと思われる人物のアパートを特定し、そこに住む男性を直撃しているんです。そのため「ポスト」にはこの際、隠し撮りしたAと思われる人物の近影なども掲載されるのではと言われていたんですが、結局「セブン」報道の真偽すら「ポスト」では報じられることはなかった。おそらく、飯田さんのことですから、ぎりぎりのところで、日弁連などに抗議されるのを恐れて、引っ込めてしまったんでしょう」(同前)
結果的には、飯田編集長の弱腰のおかげで著しい人権侵害は避けられたわけが、しかし、多くの人間が簡単にアクセスできる情報をわざわざ大上段にふりかざして掲載した「ポスト」のやり口には、週刊誌関係者の間からも失笑の声が漏れている。
たしかに、実名報道の是非とは別のところで、このスカスカのセンセーショナリズムは余りに恥ずかしい。
覚悟も取材力もなく、権力に対してはまったく批判ができないくせに、叩ける相手を見つけたときはもっともらしい“正義”をふりかざして糾弾する。これでは、「ジャスティスハイ」丸出しの2ちゃんねらーたちとそう違いはないではないか。46年の歴史をもつ「週刊ポスト」ももう先は長くないかもしれない。
(伊勢崎馨)
最終更新:2015.09.14 08:30