「それで花見のときに『今度、僕のテレビに出てください』って伝えたら、『もちろん出ますよ』と言ったんです」
「だから、(中略)会ったから話せることがある、進展することもあるんですよ」
おいおい、いったいどこまでおめでたいんだ、と言いたくなるが、しかし、辻はこうした太田のくだらない言い訳に対して、直接、強い批判をしたわけではない。
むしろ、対談のほとんどは「そうだったんだ」「そうかもしれないね」などと相づちをうっていた。
ところが、太田が瀬戸内寂聴に会った際のエピソードを話した時のこと。
「『先生、デモの先頭に立つぐらいなら、安倍(晋三)さんと寝てくださいよ』っていったら、『あの人は、あたしの趣味じゃないのよ』って」
「俺、寂聴さんに会った時に言ったんですよ。『平和運動ということで相変わらずデモに行っていますけど、そういうスタイルってどうなんですか。先生ならマイクを使って外からアピールする必要はないでしょ。直接、本人に会って言えばいい』」
太田は瀬戸内にこんなツッコミをいれたことを自慢げに語ったのだが、これに対して辻は、こう切り返したのだ。
「寂聴さんは、個人的に会って話をして約束しても、それが守られるとは思っていなんじゃないの」
そして、自身が安倍首相に会ったことという経験談を語りだす。辻はフランスのオランド大統領からパーティに招待された際、ばったり安倍首相に会った。このとき、辻は安倍に「辻さんは、パリに住んでいるんですか」と訊かれたのだが、「はい」としか答えなかったという。そして、その理由を自らこう解説したのだ。
「その時に僕が『戦争反対です』と言ったところで『ああ、そうですか』で終わっちゃうでしょ」