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終戦記念日を明日に控え『火垂るの墓』がテレビ放映! でも監督の高畑勲は「火垂るの墓で戦争は止められない」と…

『ジブリの教科書4 火垂るの墓』(文藝春秋)

 本日夜9時より、日本テレビ『金曜ロードSHOW!』で『火垂るの墓』がオンエアされる。原作は野坂昭如が1967年に発表した直木賞受賞作、それを88年に高畑勲監督がアニメーション映画化したものだ。

『火垂るの墓』は、「トラウマ必至」「悲惨すぎて救いのない映画」などとも言われるが、子どもからお年寄りまでが観られる映画として、戦後70年という節目にこれほどふさわしい作品もない。きっとこの映画を観れば、誰もが「こんなふうに死にたくない」「戦争なんて絶対にイヤだ!」と感じることだろう。

 だが、これほどの力強い作品をつくり出したにもかかわらず、監督の高畑は本作が“戦争の抑止力”になるとは考えていない。現在、大きな問題となっている安保法制にも強い危機感をもち、安倍首相への批判も繰り出し、自らデモに参加しつづけている高畑が考える、ほんとうの反戦に必要なものとはなにか……。以下、そうした高畑監督の思想に迫る記事を再掲するので、この機会にぜひ読んでいただきたい。
(編集部)

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 ついに日本時間の23日、第87回アカデミー賞が発表になる。注目は、長編アニメ映画部門賞にノミネートされている高畑勲監督作品『かぐや姫の物語』の行方。長編アニメ映画部門で日本人がノミネートされるのは、宮崎駿監督以外でははじめてのこと。さらにもし受賞すれば、2002年の『千と千尋の神隠し』以来2度目の快挙となる。下馬評では『ヒックとドラゴン2(仮題)』の受賞が有力視されているが、『かぐや姫の物語』の群を抜いた芸術性によって、高畑監督は世界から視線を集めているといっていいだろう。

 高畑監督といえば、1988年に日本で公開された『火垂るの墓』が海外でも高い評価を受け、イギリスでは実写映画化される予定も。いまなお“反戦映画”として引き継がれている名作だが、じつは、高畑監督はこの自作について意外な認識をもっているらしい。

「『火垂るの墓』は反戦映画と評されますが、反戦映画が戦争を起こさないため、止めるためのものであるなら、あの作品はそうした役には立たないのではないか。そう言うと大抵は驚かれますが」

 このように答えているのは、今年の元旦、神奈川新聞に掲載されたインタビューでのこと。

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