ナチスの旗を振りかざし、外国人へのヘイトスピーチを繰り出すような極右ヘイト団体の関係者たちが、安保法制に賛成し、安倍首相を熱烈に応援していることは、デマどころか、疑う余地すらない事実だ。印象として言っているわけではない。現実として、8月2日の銀座・安保法制推進デモの主催は、件の写真にあるネオナチ団体と完全に同根だったからである。
3日のTBS『NEWS 23』が、この安保法制推進デモの模様を放送した。デモ参加者らは、日の丸や日章旗、星条旗を振りながら約250名で行進。『NEWS 23』のカメラははっきりと、「朝鮮人半島に帰れ!」と叫ぶ参加者の姿や、「安保法制大賛成! ブタ左翼皆殺し」と書かれた紙を掲げる姿を映していた。
そう、彼らの正体は、ヘイトスピーチを繰り返し、外国人や在日コリアンへの虐殺までも煽動する、いわゆる「行動する保守」と呼ばれる人々だ。彼らが運動の告知などに使用するウェブサイト「行動する保守カレンダー」によれば、デモの現場責任者は、あの元在特会会長・桜井誠氏。実際、桜井氏が安保法制推進デモの中心にいたことは、動画などで誰でも容易に確認できる。
そして、件の朝日編集委員がツイートに用いた“鉤十字を掲げる極右デモ”も、在特会と深く関係を持っていることが判明している。本サイトによせられた複数の情報を検証し、また独自に取材したところ、写真のネオナチデモの主催は「外国人犯罪追放運動」なるNPO団体であり、昨年3月に東京・西葛西で行われた在留中国人追放を目的としたデモであったことがわかった。
このNPO「外国人犯罪追放運動」の代表者は、有門大輔氏という極右活動家である。“日本のネオナチ”を自認し、長年運動を牽引してきた人物、瀬戸弘幸氏の弟子筋にあたる。今回の銀座・安保法制推進デモではハーケンクロイツこそはためいていなかったが、前出の桜井氏に加え、この有門氏と瀬戸氏が参加し、堂々とデモ行進を行っていたことを確認。この瀬戸氏、有門氏らネオナチ活動家と、桜井氏の在特会は、かねてから共闘関係にあることで知られている。つまり、今回の安保法制推進デモにたまたま参加したわけではなく、むしろ中心的役割を担ったとみるのが妥当だ。「行動する保守」の活動を取材したことのある者ならば自明のことだが、その構図は、東京・新大久保など在日コリアンや外国人らの虐殺を扇動するヘイトデモの構成とまったく同じである。
ようするに、8月2日の銀座・安保法制推進デモの正体は、こうした「行動する保守」界隈が集結した、極右ヘイト運動であったのだ。