それは、橋下の周辺でスキャンダル追及の動きが出てきていることだ。例の大阪カジノ構想の裏にパチンコメーカーの利権があるのではないか、と、一部の新聞やジャーナリストが取材に動いているのだという。その動きを知る政界関係者が解説する。
「日本のメディアは政治家が強大な権力を握っているときは、どんな疑惑があっても報道しないが、いったん、その権力が揺らぎ始めると、かさにかかって、スキャンダルを書き立て始める。橋下も政界引退発言をしたことで、在阪の新聞社が一気に積年の恨みを晴らそうと取材を始めたと聞いている。もしかしたら、その動きを察知した橋下がそれを牽制するために、今回の会談にのったという部分もあるんじゃないか。『オレはまだ、強大な安倍政権とつながっているんだから、触ると痛い目にあうぞ』という牽制の意味があったんじゃないかな」
実際、今回の会談が開催されることやその内容が、官邸サイドよりも橋下市長や松井知事の周辺からより大きく聞こえてきたのはたしかだ。
いずれにしても、号砲は鳴らされた。まさに2人の独裁者の合体という悪夢のような物語が、これから日本を覆っていくことになるのだろうか。
(田部祥太)
最終更新:2015.06.16 12:59