石田衣良池袋ウエストゲートパークシリーズオフィシャルサイト(文藝春秋)より
「来年には終わる」と毎年のように言われながらも、まったく終わる気配のないアイドルブーム真っ最中の昨今。ついに、あの『池袋ウエストゲートパーク』でおなじみのベテラン直木賞作家・石田衣良までもがアイドルオタクになってしまったという。
「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA)2015年6月号に掲載された朝井リョウ・柚木麻子との「アイドル好き作家座談会」にて、彼がそのアイドル愛を爆発させている。
石田氏がアイドルにハマったきっかけは、去年の夏に倒れてしまったことだった。
「ちょっとした発作だったんだけどね。救急車で運ばれて、3日くらい入院して。退院した後も、本は読めないし映画も観られない。ソファーに寝っ転がって、3週間くらいずっとふらふら寝ていたの。その時にYouTubeでモーニング娘。のMVを見たんです」
ふとしたきっかけで見たモーニング娘。のMV。それは「The 摩天楼ショー」であったという。
石田氏をとくに魅了したのは、つんく♂氏のつくる、ブラックミュージックに根ざしたファンクサウンド。
ハロプロ楽曲には、古くは、太陽とシスコムーン「Magic of Love」、モーニング娘。「笑顔YESヌード」、最近では、Juice=Juice「ロマンスの途中」など、ファンクにルーツをもつ楽曲が連綿と受け継がれている。石田氏が魅了された「The 摩天楼ショー」も、まさにその系譜を受け継ぐ曲だ。
そのサウンドは、アイドルオタクになる前から音楽好きで通っていた石田氏にとっても魅力的なものだったようだ。
「僕ね、学生のころから音楽はファンクものが好きだったんです。音楽に関していうと、中毒なんですよ。ざっと計算して、今まで20~30万曲ぐらい聴いてきたんじゃないかな? その耳で聴いても、本当に素晴らしかった」
「The 摩天楼ショー」によって湧いたアイドルへの興味は、石田氏をさらにハロプロ楽曲を掘り続ける行動に駆り立てる。
「そこから始まり、ハロは15年分の歴史があるのでえんえんと遡ることができて。家で休んでいたおかげで時間がたっぷりあったこともあり、一気にハマりましたね」