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元統合幕僚長が自衛隊員戦死を前提にした安保議論要求! 靖国神社に祀るのはダメ、と…

自衛隊員の戦死リスクに触れられたくない安倍首相(首相官邸HPより)


 自民党が推薦した憲法学者だけでなく、山崎拓、野中広務、古賀誠、河野洋平などかつての自民党重鎮さえからも「違憲」「危険」などと批判されている安保法制。菅官房長官はこれを認めず「憲法の番人は最高裁であって学者でない」などと言い始めた。政府のいいなりに合憲判決を出すか統治行為論で判断を避けることしかしない最高裁を「憲法の番人」とはよくいったものだが、安倍政権が進める安保法制の国会議論に疑問を呈する人物は他にもいる。

 それが安保法制で、もっとも直接的な影響を受ける自衛隊元幹部だ。6月6日に放映された『報道特集』(TBS系)の安保特集では2006年から約2年の間自衛隊トップを務めた元統合幕僚長の齋藤隆が登場、国会で大きな議論となった「自衛隊員のリスク」について、安倍首相や中谷元防衛相が決して口にしない“事実”を公言し話題になっている。

 齋藤は自衛隊の海外活動について法整備は欠かせない。そして安保法制についても80点から85点だと評価しているのだが、しかしそのなかでも気になる議論があるとして “自衛隊員リスク論”に言及する。齋藤は安保法制があろうがなかろうが、これまでの自衛隊派遣も危険と隣り合わせだったとして自衛隊員のリスクをこう語っている。

「(今回の安保法制で)急に自衛隊員のリスクが高くなるという議論がされているが、そうではない。(今までは)たまたま戦死者が出ずにすんだ(略)それは僥倖(幸運)だと思う」

 齋藤はこれまで海外に派遣された自衛隊員に危険は付きまとっており、戦死者が出なかったのは偶然に過ぎないと言っているのだ。しかもそれはラッキーな偶然だから「これが未来永劫続くとは思えない」と持論を展開する。

 確かに安倍首相が会見で「今までも1800人の隊員が殉職している」などと発言し、「論理のすり替え」と批判されたように、この数字は職務中の事故などで死亡した人数で、戦闘行為で殉職したわけではない。戦後、自衛隊員は“戦闘”で誰も死んではいないのだ。

 その上で、齋藤は安保法制にはリスクへの議論、ずばり自衛隊員が戦闘行為で“戦死”した場合を想定した議論をすべきだと主張するのだ。

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