そんな彼がまず基本的なNG事項としてあげるのが、〈低体温〉だ。
〈体温が低いと、寝起きのけだるい状態が継続して、セックスの意欲もわかないんです〉〈セックスしたくないということは、不健康の証なんですよ〉
体温を上昇させる方法はいたって簡単、〈良い食事をとって積極的に運動する〉ことに尽きるという。
さらに〈鼻呼吸〉もオススメの健康法だ。なんでも、〈口呼吸だと、スタミナがなくなり、疲れやすくなります。中折れしやすくなる〉そうで、実際に田渕氏も、口呼吸から鼻呼吸に変えた途端に〈持続力がアップ〉したという。さらに、田淵氏がもうひとつ語る鼻呼吸のメリットがなんとクンニ。口呼吸だと、クンニ中に〈長く続けられない〉が、一方の鼻呼吸なら〈苦しくないし、舌も常に潤っていますから、いつまでもアソコをなめ続けられますよ〉。まさか、鼻呼吸もこんなことで効用を語られるとは思ってもいなかっただろう。
さらに話は、〈ピストンの極意〉へ移行する。田淵氏はまず、セックスに向いている体型を〈ゴムまりのような〉〈柔軟性があってしなやか〉な体だとし、そうした体づくりにスクワットを勧めている。
〈私は、セックスの際には、手足の筋肉を動かすだけではなく、「骨で動く」ことをイメージしています。こうすると、疲れないんですよ。ピストン運動も、効率的に出来ると思います〉
「骨で動く」……もはやセックスの話をしているのか、スポーツの話をしているのかよく分からなくなってくるが、田淵氏はこう続ける。
〈中高年以降のかたは、ストロークを大事に、骨を動かし、肉を味わう!〉
川上ゆうも、〈ほんと、武道家みたい(笑)〉と返事に困るが、要は〈いきなり激しくピストン運動するより、特に最初はゆっくり出し入れすること。1回1回のストロークを、ジックリ行う〉ということらしい。
さて、同誌のあとがきでは、〈パート1を出した後、読者の皆様からのたくさんのおはがき〉を一部紹介している。
なんと90歳男性から、〈「82歳の妻とまだまだ現役で楽しんでいきたいです」〉といった感想が届いたというのだ。
まあ、「長生きしたけりゃ性を楽しめ」とデカデカと書かれた同誌を購入するような読者だから、もともと素質はあったとは思うのだが、一度、実践してみるのはありかもしれない。
(羽屋川ふみ)
最終更新:2018.10.18 05:50