『壮快Z 2』(マキノ出版)
「死ぬまでセックス! 80歳でもセックス 生涯現役のすすめ」など、高齢者の性を煽る企画を打ち出し話題となった『週刊現代』(講談社)と『週刊ポスト』(小学館)だが、昨年あたりからいつの間にかなりを潜め、より実践的な企画へと移行している。
『週現』が「無料で安全 60歳からの『エロ動画』」と、犯罪の片棒を担ぐかのようなレクチャーをすれば、『ポスト』は「YURI」で大好評を博したグラビア「謎の美女シリーズ」を復活させ、二番煎じ「祥子」を売り出し中だ。
さて、そんな間隙を突いて、“死ぬまでセックス”を始めた雑誌がある。『壮快Z』(マキノ出版)だ。「腸力アップで病気は勝手に治る」、「耳鳴り、老眼、物忘れ、高血圧の撃退! アルミ湿布初公開」、「首の後ろは押すと病気が勝手に治る急所だ!」、「男も女もフサフサ育毛大革命」などなど、ご年配の方々に健康の知恵を授ける『壮快』のムック本である。
そのコンセプトは「あくまでもまじめに医学的に、それでいて明るく楽しく朗らかにセックスを提唱する」で、今号のテーマは「長生きしたけりゃ性を楽しめ」と謳うだけあり、ヌード袋とじの煽り文句に「視力向上!」とあったり、唐突に女医が脱いだりと、全ての企画でこれでもかと医学と性を結びつけている。
なかでもひときわ目を引くのが、「絶倫すぎるAV男優 田淵正浩に学ぶ セックスで健康になる方法」。
男優歴24年、経験人数7000人以上という田淵氏は、現在でも月30〜40本という絶倫の名に恥じない仕事っぷりだ。
実際にAV制作会社スタッフやAV男優が、「田淵さんの、健康へのこだわりはすごい」と絶賛する声と、そして田淵氏本人から「一時期、東洋医療の治療院に6年半勤め、かなりサプリメントの類に詳しくなった」といった話を、筆者も聞いたことがある。
まったく違う畑の健康雑誌の編集部もどこからか聞きつけるほど、田渕氏の健康へのこだわりは、名を轟かせているのだろう。
同誌では田淵氏は、若熟女No.1の川上ゆうとの対談形式で、自身の”絶倫の秘訣”を明かしている。田淵氏が健康を意識し出したのは20代後半、体調が悪い日々が続き、AV男優を〈やめようかと思って〉いたほどだったという。そこで〈猛勉強して、食事や運動、ものの考え方などを大きく変えた〉ことが転機だった。