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都構想の否決を「シルバーデモクラシー」と批判する人の正体

「情弱の高齢者が都構想をツブした」というデマをふりまく知識人達よ、情弱はお前らだ!

 大阪の場合は中小企業を活性化するような施策をしないと、なかなか効果が得られない。すでに東京の二番煎じのような大規模開発に取り組んでいるが、ほとんど経済活性化につながっていない。他にも、カジノ構想、万博誘致とか、橋下たちが言っているのは都構想とはなんの関係もない、他人頼みで、昭和の高度成長期やバブルの幻を追うような政策ばかりなのだ。

 そもそも、橋下徹の構造改革=緊縮財政政策は経済成長にとってマイナスの結果しかもたらさないという見方もある。2008年の府知事戦で橋下は「大阪府は破産会社」と宣言し、財政の立て直しを公約にしたが、緊縮財政がなにかを変革しただろうか。むしろ、それがどんどん経済を悪化させてきた。大阪市は他の政令指定都市と比較して経済成長率も低く、人口流出も止まらないままだ。

「都構想」によりこの緊縮財政が加速すると、大阪はむしろ貧困層が増大して経済的に低迷していくという見方さえあるのだ。

 こうした“情報”を無視して賛成に回った新自由主義者たちが、反対票を投じた人たちを「情弱」と呼ぶのはジョークとしか思えない。

 むしろ、「情弱」というのは、橋下の「改革」という言葉に釣られ、都構想の実体を見極められなかった自分たちのほうではないか。なんとなくフレッシュなイメージ、なにかが変わるという漠然とした期待、そんなものは心象にすぎず、まんまとイメージ戦略に乗せられているだけなのに、さも自分たちは、知識があって既得権益を解体する改革の志をもっているかのようなポーズで弱者を「既得権者」に仕立てて、口撃する。

 しかし、騙されてはいけない。むしろ、彼らこそがこの格差社会の既得権者であり、それを守ろうと必死なのだ。だから、その守護神である橋下にはなんとしても生き残ってほしかったのだろう。
 
 そして、投票結果が出たあと彼らが「シルバーデモクラシー」「老害投票」などと言って世代間格差の問題にすり替えたのは、その自分たちの邪な動機を隠蔽しようとしたからに他ならない。

 もう一度繰り返しておく。改革者のふりをした意識高い系=新自由主義者には騙されてはいけない。
(エンジョウトオル)

最終更新:2015.05.22 11:31

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