しかし、結果はともかくとして、ひっかかるのは、なぜ、菅官房長官がここまで橋下の都構想を支援するのか、だろう。自民党の大阪府連は反対を打ち出しているのに、菅官房長官は都構想に肯定的な発言を繰り返しているばかりか、逆に大阪府連が民主、共産と合同で都構想反対演説を行ったことについて「まったく理解できない」と批判までしているのだ。
官邸担当記者がその背景をこう解説する。
「それは、菅さんと橋下さんの間で、憲法改正に向けた連立のシナリオができているからですよ。橋下さんは都構想が可決されたら、大阪市長に再出馬するなんていっていましたが、あれを真に受けてはいけない。都構想が可決したら、橋下市長は維新を割って参院選に出馬する。そして、自民、公明と連立して、衆参で3分の2を占め、憲法改正の発議に必要な議席を確保する。そのためには、都構想の住民投票を可決させて、大義を得る必要があるわけです。学会の佐藤副会長ともども、そのシナリオに向かって動いているということでしょう」
この悪夢のようなシナリオが現実にならないことを祈るばかりだ。
(田部祥太)
最終更新:2015.05.13 07:03