改めて言っておくが、太田光のバカ発言なんて、政策上の批判であり、なんの問題もない。いや、これが人格上のバカ発言だったとしても、民主主義国家ではごく普通に行われている論評にすぎない。
ところが、今の日本では、この程度の些細な政権批判や論評、揶揄に対して、「一国の総理に対しておかしい」「名誉毀損だ」「放送法違反だ」という圧力が加わり、口をつぐまざるをえなくなってしまう。すでにネット上では、総理の批判をすることが何か国益に反する違法行為のような認識さえ広がっている。
これでは、安倍政権が中国における中国共産党や北朝鮮における金正恩とほとんど変わりがないということではないか。
いや、これは、冗談ではない。テレビ朝日『報道ステーション』の古賀茂明降板問題でもそうだが、安倍官邸とそのメディアへの圧力を礼賛する連中の群れを見せつけられると、連中が“北朝鮮化”とまではいかなくても、ロシアのプーチン政権並みの言論統制を目指しているのは間違いないだろう。
たとえば、太田と安倍首相を、あるいは古賀氏と菅官房長官を同列に並べて「どっちもどっち」などとせせら笑っている人がいたら、ぜひ、改めて考えてみてもらいたい。この言論封殺の動きが進んだら、その先に何が起こるのか。もしかすると、権力者をせせら笑うことさえ許されなくなってしまうかもしれないのだ。
(エンジョウトオル)
最終更新:2017.12.23 06:44