また、同書では、2010年10月に群馬県で、フィリピンと日本のハーフの女子小学生が自殺したケースを紹介している。彼女は小学5年生のときフィリピン人の母親が授業参観に訪れたことをきっかけに、母親のことを悪しざまに言われ、「汚い」「クサい」などといじめられていたという。
実はこうした差別やいじめは芸能界でも同様だ。
ベッキー、ローラ、SHELLY、トリンドル玲奈……現在テレビはハーフタレント全盛の時代。「以前は番組に1枠のハーフ枠を争っていたが、最近はハーフ枠が2枠に増えてきた」とホラン千秋、春香クリスティーンが、ハーフタレントの勢いについて語っていた。しかしそうしたハーフタレントの多くは、欧米の白人を親にもつケースがほとんど。
たとえば韓国にルーツをもつ在日韓国人のタレントは所属事務所の意向で、自らのルーツを隠蔽させられているということを本サイトでも報じたことがある。フィリピン人とのハーフも、自らのルーツを隠しているケースが少なくない。
フィリピン人の母親をもつ元AKB48の秋元才加は、著書『ありのまま。』(徳間書店)のなかで、「デビュー当時は、ハーフってことを隠したほうがいいんじゃないかと言われたことがある」と明かしている。
現在はフィリピンの観光親善大使も務め、テレビ番組でフィリピンを案内するなど積極的に語っている秋元だが、ある番組でフィリピン人のハーフということで悩んだ過去について告白したこともある。「ハーフだから何がいけないの?」という思いを常に抱えていた一方で、「フィリピン人のハーフっていうと偏見だったりというのもたまに。ほかの海外のハーフとはちょっと違うと思っていた」とも語っている。小学校低学年のときに、「フィリピン人、フィリピン人」といじめられたこともあった。心配した母親は、秋元がフィリピンで生まれたということを隠し、長い間「日本で生まれた」と話していたのだという。
ものまねメイクのざわちんは、昨年9月の金スマではじめて母親がフィリピン人のハーフであることを告白したが、彼女も日本の小学校で差別といじめを受けていた。色黒であることを理由に「ガングロ」「ヤマンバ」などといじめられたそうだ。
秋元やざわちん、高橋メアリージュンなどはフィリピン人のハーフであることを明かしているが、フィリピンにルーツがあることを公表できないでいる芸能人も少なくない。