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「リニア新幹線」批判封殺の背後にJR東海タブーと原発利権  NHKにも圧力?

 前出の樫田氏は「週プレ」の記事をこう締めくくっている。

「スポンサーがらみの検証報道がなされないのは、リニアに限った話ではない。だが史上最大規模の環境問題(残土問題や水枯れなど)が起きうるかもしれない巨大事業に沈黙し、監視者としての責任を放棄していいはずはない。同じように、その危険性が指摘されながら国民的検証がないままに推進され、大事故を起こしたのが原発ではないか──」

 ピンときた読者もいるだろう。そう、リニア計画の“国策化” は、原発再稼働とも関係しているかもしれないのだ。現在、JR東海はリニアの消費電力の詳細を公開していないが、新幹線の3倍(一説には4〜5倍以上)もの膨大な電力が必要だとされている。その電力をどう供給するのか──樫田氏は「世界」(岩波書店)15年2月号でのジャーナリスト・斎藤貴男氏との対談のなかで、このように語っている。

「リニアが原発からの電力を使うかどうかは、公式的にはJR東海は何とも言っていません。ただ、JR東海の実質的な最高経営者である葛西氏は繰り返し原発再稼働を求めていますし、実際、リニア実験線で使われる電力は、主に柏崎刈羽原発からの日本初の超高圧送電線によって送られてきました。リニアと原発はセットとの可能性は否定できない」

 3.11直後、原発推進の旗ふり役である読売、産經新聞すら声を大にして“原発擁護”を喧伝できないなか、月刊誌「Wedge」は、11年6月20日発売の7月号で「それでも原発 動かすしかない」という特集を大々的にくんだ。この雑誌の発行元・ウェッジはJR東海グループの出版社である。葛西名誉会長自身、新聞紙上などでさかんに原発再稼働の必要性を論じているのも有名な話だ。

 仮説である。もし、安倍首相の敷く原発政策に、既得権益を持つオトモダチへの“義理”があるのならば。もし、これを世間から隠すために、リニア批判に対する圧力を強めているのだとすれば……。

 もはや安倍政権は、国民の声を聞く気などさらさらない。そういうことになる。

 リニア計画、JR東海、葛西敬之と安倍晋三の蜜月。今後、新たな情報が入り次第、続報を出すことにしよう。
(梶田陽介)

最終更新:2017.12.09 04:55

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