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ロリコン、ショタが告白する「子どもを性の対象にする」欲望と法規制

 コミックマーケットで82年からスタッフとして参加してきた牛島えっさい氏も青柳さんと同様に、本書でこう語っている。

「AVを見て満足するから、性欲を抑えることができる。規制を厳しくして代償がなくなると、性犯罪はさらに増えてしまう気がします」

 また、幼い少年が好きな“ショタコン”として本書に登場する漫画家の史都玲沙さんは、二次元の少年にしか萌えないという。「キャプテン翼」をパロディ化した同人誌にふれたことから、やおい系、いわゆるBL系の漫画を描くようになる。二次元専門のため、実際の男の子に対しては「町なかでかわいい男の子を見つけても、犬と同じような感覚で『かわいいなあ』とは思えても、そこから先へ想像を膨らませて萌えることはできない」という。しかし、彼女が運営するサイトには「近所のコンビニの男の子がかわいくて、付き合っている」という書き込みをした女性もいるといい、「現実の男の子を性的なまなざしで見る女性も、わずかながら存在するのではないか」と分析している。

 彼女も法規制について、こんなことを友人と語っているという。

「もしショタが規制されることになったら、すべての男の子にひげを描いて『大人です』って言い張ろう」

 児童ポルノや二次元の創作物、これらの規制について賛成している人々の言い分は、こうした創作物が幼い子どもをターゲットとした犯罪を助長する、というものだろう。しかし、一方では、幼い子どもを愛するロリコン、ショタと呼ばれる者たち自身が、規制を強めれば実際の子どもに欲望が向かう、と主張しているのだ。

 彼らの言い分を身勝手な論理と切り捨てるのは簡単だが、しかし、ある部分ではこれこそが現実でもある。声高に規制だけを主張しても問題は解決しないことを、規制賛成派はもっと直視するべきではないだろうか。
(寺西京子)

最終更新:2014.12.16 12:28

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