そのうえ、強制的に「セブン‐イレブン加盟店共済制度保険」に加入させる。
「この共済はすべてのもの(傷害、火災、病気、死亡、所得補償など)が網羅されている。たとえば、オーナーが(閉店して)出ていっても、損害賠償金はオーナーに払わないでセブンがネコババする。殺そうが、何しようが、(債権は)とりっぱぐれがないようにしている」(同書より)
しかも、その保険代理店は親会社のセブン&アイ・ホールディングスグループの「株式会社ヨークインシュランス」なのだ。
「気の弱いオーナーなどが自殺したら保険金で負債を全額清算してしまう(略)これは明らかに巨大企業ぐるみの、赤字転落(自殺)が予想できるのにドミナントで追い込む『未必の故意』に当たるのではないか。そこにはあえて言えば『フランチャイズ版保険金殺人』とでもいうような、暗黙の作為が仕組まれているように感じる、と言われても弁解できないだろう」(同書より)
同書はセブンのビジネスモデルを小売業ではなく、「小売業の形をとった店の売上金の『毎日集金ビジネス』」だと指摘する。
「全国一万二〇〇〇店からカキ集めた、年間『二兆七六二六億円』(全チェーン売上高)の『売上金運用ビジネス』である。そして夫婦を『オーナー』に仕立てて二四時間・年中無休で働かせる『雇用偽装(労働力搾取)ビジネス』である。その根幹を支えているのが『疑惑のセブン‐イレブン会計』なのである。その中には加盟店オーナーからどう売上金と利益を吸い上げ、その原資をどうセブン&アイ・グループ企業で運用し最大化させるか、全知全能をふり絞った仕掛けがいくつも隠されているのだ」(同書より)
想像以上に悪質なセブンのフランチャイズ契約。しかし、こういう実態を詳しく指摘しているメディアは「週刊金曜日」以外存在していないと言ってもいい状態だ。ほとんどのマスコミはセブンの広告や販売ルート支配によって沈黙せざるをえなくなっている。次回はそのへんをもう少し詳しく掘り下げてみたい。
(小石川シンイチ)
【追及!セブン‐イレブン商法シリーズはこちらから→(リンク)】
最終更新:2014.12.04 07:51