また、視聴者の目が釘付けになったのは、中曽根康弘元首相が登場したとき。こともあろうか、中曽根の前に置かれた茶碗に首をつっこみ、お茶に手(舌?)をつけたのだ。まーごはときおりMCであるキャスター陣のカップにも手を出すことがあったが、ゲストのものを横取りするあたりは「てめえに出す茶はねえ」と言わんばかり。
このほかにも、先月の放送で菅義偉・内閣官房長官が「ニッポンの提言」というお題に対し、「実行実現」と恐ろしいフリップを掲げたときにも、呆れたようにテーブル上で熟睡をぶちかましたまーご。石破茂・地方創生担当大臣や、読売グループのドン・渡邉恒雄に抱きかかえられてもぶ然とした表情で、ときには番組の進行などお構いなしでカメラ前に立派なキャンタマ袋を見せつけることも。
森喜朗に小沢一郎、鳩山由紀夫、志位和夫……みんながまーごの愛くるしさに骨抜きにされた。森にいたっては「まーごに会えるならまた出たい」とさえ言ったという。だが、まーごには与党も野党も関係なし。権力にすり寄ることもなく、どんな大物政治家に撫でられようとも、猫の矜持か、媚を売ることなどしなかった。その自由な姿は、詭弁を弄することに必死な政治家たちをあざ笑っているかのようでさえあった。──たとえ無言でもその態度は饒舌で、立派にMCとしての務めを果たしていたのだ。
テレ東は2代目看板猫を立てるかどうかをまだ発表していないが、あの奔放なまーごをもう観られないのは悲しい限り。天国でも変わらず気ままに、穏やかに過ごしていることをこころから祈りたい。
(サニーうどん)
最終更新:2015.01.19 05:05