八木「『セクハラ』という言葉が発明されたことで、女性が腫れ物になったという一面もあります」
「それはフェミニズムの影響です。結婚するしない、産む産まないは個人の自由だとか、自己決定だとか、フェミニストたちが言い始めたためです。(略)そんなことをしていれば、人類は滅びます」
「(セクハラヤジ報道を)多くの女性達は違和感を持っているようですよ。塩村議員に対する女性の反発もかなり大きいと思いますよ」
細川「フェミニズムがここまで広がったのは、内閣府の男女共同参画局の影響力も大きいのではないかと、私は思います。廃止すべきです」
男女共同参画は廃止すべき──いやはや、言葉もないとはこのことだろう。もちろんこの鼎談が掲載された「正論」はタカ派の中でも最右翼の産経新聞社発行のオピニオン誌ということを割り引いても、である。
多くのタカ派オヤジの本音、そして、オヤジの価値観を内面化した名誉男性とでも呼ぶべき“タカ女”の認識がこれでお分かりだろう。セクハラなんて言葉こそ“悪”であり、女性が傷つこうが関係ない。「早く子どもを産めというのはセクハラでもなんでもなく社会常識で、これが正論だ!」という恐るべきセクハラ攻撃鼎談。
こんな鼎談にノコノコ参加した鈴木都議は、2人の“セクハラヤジ”大擁護を受けて気が大きくなったのか。最後にダメ押し“セクハラ”発言で鼎談を締めくくった。
「政治家として少子化対策を訴えるならまずご自分が結婚されて、その経験をもとに語るべきではないか」
身体と頭にこびりついた差別意識は、あれほどの批判を受けても払拭することはできないのだろう。卑劣で無神経なセクハラ発言は止まりそうにない。
(伊勢崎馨)
最終更新:2016.08.05 06:32