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100周年迎えた宝塚の暗部がかいま見える「宝塚いじめ裁判」の記録

 Sさんが学校に通っている間、同期生からは「私の視界に入るな」「死ねばいいのに」などという言葉の暴力だけでなく、“Sさんのたてたお茶に誰も口をつけない”、“演劇のレッスンでペアを組まず孤立させる”などといった幼稚で陰湿なイジメが続いたという。

 イジメを解決するでもなく加速させた他の96期生の行動も非常に陰湿であるが、何よりもイジメを見逃し、それに乗っかる形でSさんをあらゆる盗みの犯人に仕立て上げるような行動を取り、退学に追いやった挙げ句、裁判所からの二度に渡る退学取り消し処分が下されたのも無視した学校側にも、大きな問題がある。他の元タカラジェンヌも時折メディアで音楽学校時代、また宝塚歌劇団時代のイジメを告白してきたが、学校側のこうした体質を変えない限り、イジメはなくならないだろう。むしろ、学校側は、イジメも生徒らを鍛えるための材料と見ているのではないかという穿った見方すらできる。

 Sさんはその後、どうなったのか。判決から2年後の13年12月、SOD(ソフト・オン・デマンド)のホームページ上に、あるAV女優のデビュー情報が掲載された。「この度、SODstarから美しい名門音楽専門学校卒業したお嬢様・◯◯ちゃんのデビューが決定したのです☆」という紹介文。これがSさんとそっくりだという話になって、またぞろいろんな噂がとびかった。しかし発売目前にしてその作品は突然のお蔵入りとなっている。

 一方、イジメに加担したとされている96期生は数名の退団者は出ているものの、いまも舞台に立ち、タカラジェンヌとして活躍している。
(寺西京子)

最終更新:2018.10.18 04:08

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