それはともかく、興味深いのは、こうした史実がこれからドラマにどのくらい反映されるか、だ。男性側が妻帯者だった花子の場合さえ、実際の“不倫略奪”を懸命にソフトにしようとしてきたNHKのこと。大富豪の妻である白蓮の“姦通不貞駆け落ち事件”や朝日新聞による仕込み、右翼の抗議などをきちんと描くことができるのだろうか。また、白蓮に不幸な結婚生活を強いて、絶縁状に対しては抗議文を新聞に掲載した対抗した伝右衛門はどう扱われるのか(何しろ演じているのが人気急上昇の吉田鋼太郎である)、ますます注目の『花子とアン』なのである。
(伊勢崎馨)
最終更新:2014.07.17 12:14