1930年生まれの西村京太郎・野坂昭如・笹沢左保・開高健、1931年生まれの有吉佐和子・小松左京・三浦哲郎・曽野綾子、1932年生まれの平岩弓枝・小田実・石原慎太郎・五木寛之、1933年生まれの森村誠一・渡辺淳一・半村良、1934年生まれの山村美紗・筒井康隆・井上ひさし、さらに1935年の早生まれの大江健三郎。世代的には、大江をのぞく全員が昭和ヒトケタ後半の生まれにあたる。
これらの作家について、エッセイ・ノンフィクションを除く創作(小説・戯曲)で文庫化された作品のうち、現在入手可能のものを数えてみた。結果は以下のとおり(冊数順。データは2014年6月30日現在)。
西村京太郎……319冊
森村誠一……154冊
平岩弓枝……99冊
渡辺淳一……78冊
筒井康隆……34冊
井上ひさし……32冊
小松左京……30冊
有吉佐和子……27冊
大江健三郎……24冊
半村良……20冊
五木寛之……19冊
野坂昭如……11冊
開高健……10冊
曽野綾子……10冊
笹沢左保……9冊
三浦哲郎……8冊
山村美紗……4冊
石原慎太郎……2冊
小田実……1冊
■強いのは映像化された作品
西村京太郎と森村誠一と、さすがにミステリー作家は強い。とくに西村の冊数は驚異的である。異なる文庫間で重複する作品があるものの、文庫収録作の数でいえば、存命・物故問わず全世代の作家のなかでも、おそらく現時点で最多ではないか。
ただし、同じミステリー作家でも、没後18年が経つ山村美紗は4冊と少ない。かつては各社から数多くの作品が出版され、いまなおテレビドラマ化されることも多いにもかかわらず、この数字は意外だった。