さらに本書では興味深い実験結果が記されている。ルールがわかると簡単に解ける簡単な学習課題をサイコパスとそうでない人に行わせ、成績を比較するのだが、まず、間違えた場合にだけ罰として電気ショックを与えると、サイコパスのほうがルールに慣れるのに時間がかる。ところが、正解した場合には電気ショックがなく、さらに金銭的な見返りを与えると、結果が逆転。サイコパスのほうが、ルールの飲み込みが早くなったという。この実験結果から「サイコパスはなにか“得る”もの、見返りがあるとしたら、リスクはおかまいなしにイチかバチかやってみる」という特徴があると結論づけている。
果たして片山被告はサイコパスなのか? 精神科医でもないのに推理するのはまだ早いが、彼は複数の罪のない人を陥れ犯人に仕立て上げていながら、自身もまたその被害者であると、罪を認める前の公判では演説をぶっていた。弁護人や支援者をうまく騙し、最終的には保釈にまでこぎ着けた。
弁護側は今回、片山被告が否認を覆した事によって精神鑑定を検討しているという。責任能力を問題にするつもりはないといい、これがどういう結果になろうとも裁判所の判断に影響は与えない。精神鑑定が行われる事になれば片山被告が真のサイコパスかはっきりするだろう。結果に注目だ。
(寺西京子)
最終更新:2018.10.18 04:56