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これで“雑魚寝”避難所は変わるのか…今秋発足「防災庁」職員は「国家情報局」の半分以下! 防災庁設置に反対していた高市首相

石破が「雑魚寝をなくす」と提案した防災省構想に反対していた高市、コバホークら自民党右派

 そんな中、防災省構想が一気に前に進み始めたのは、2024年、石破茂氏が首相になったためだ。

 石破氏は以前より大規模災害対策に強い関心を寄せており、2020年の総裁選で防災省の設置を掲げた。そして、安倍派の裏金問題が起きた直後の2024年総裁選では、防災省設置を自身の政策の柱にすえ、それによって、スフィア基準を実現することまで強く主張した。石破氏は総裁選の演説や討論会でこんな主張を展開していた。

「(日本の災害対応は)101年前の関東大震災の時と変わらない。体育館で雑魚寝のようなことは、先進国において日本だけだ。家が壊れ被災し、職を失った人たちがなんで体育館で雑魚寝をしなきゃいかんのですか。なんで冷たいお弁当を食べなきゃいかんのですか」
「世界一と言ってもいい災害大国で、専門省庁がないことのほうがよほど異常だ」
「どこで何が起きても同じ対応ができる。それが国家の責任だ」

 しかし、その石破氏も総裁選から首相に就任するまでの過程で、その計画をしだいにトーンダウンさせていく。いきなり防災省を設置するのでなく、格下の防災庁から始めるとし、自衛隊や警察、消防を直接動かす権限をもつことも否定するようになった。これは、理想論を語りながら、すぐに腰砕けになってしまう石破前首相の体質もあるが、それ以上に大きかったのが、各省庁や党内の反対だった。 とくに、災害支援の指揮権や予算を奪われることを恐れた自衛隊が当初から防災省に猛反発。さらに、災害支援に消極的な自民党右派も総裁選のときから「無駄」「意味がない」「新たな縦割り」と徹底批判を展開していた。

 その急先鋒だったのが、現首相の高市早苗氏と現政調会長の“コバホーク”こと小林鷹之氏だった。小林氏は総裁選中から「防災省は屋上屋を架すことになる。必要性を感じない」「わざわざ防災省をつくらなくても、各省の連携はいま、比較的よい体制が構築できていると思っています」などと主張。高市氏も総裁選で「防災省より復興庁設置法を改正して対応すべき」と反対していたのはもちろん、総裁選に敗れ、石破政権が発足してからも防災庁設置政策を批判していた。

 たとえば、2024年12月発売の極右雑誌「月刊Hanada」(飛鳥新社)2025年2月号のインタビューに応じた高市は、「正直、防災庁ではないなと思っています」「防災庁を作るよりも、各省庁の予算を増やすほうが目的に資すると思います」「石破総理が総裁選で訴えておられた避難所の環境改善だって、まさに既存の内閣府防災でも復興庁の業務対象地域の拡大でも対応できる話ですからね」などと、批判を連発している。

 そして2025年6月、当時の石破首相は防災庁の組織概要を表明したが、党内の反対派に配慮した結果、その内容は、防災庁を勧告権しか権限のない各省庁の調整機関と位置付けるもので、当初の意気込みとは似ても似つかないものになっていた。

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