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兵庫・斎藤知事問題で維新の責任を改めて検証! 局長を“自死”に追い詰めた維新県議、課長の自死は吉村肝煎り優勝パレードが原因か

阪神・オリックス優勝パレードめぐる不正疑惑に大阪府が関与していた可能性は?

 しかも、重要なのは、元局長が内部告発文書のなかで言及していた「阪神・オリックス優勝パレード」の疑惑だ。

 ご存知のとおり、吉村知事は昨年、斎藤知事らとともに、大阪万博の機運醸成を狙って阪神タイガースとオリックス・バッファローズの「優勝パレード」の開催をぶち上げた。その際、開催にかかる資金に公費は投入しないとし、資金確保のためクラウドファンディングで5億円を集めることを目標に掲げたが、集まった金額は1億円程度。最終的に大阪府と兵庫県が地元企業から約5億円の協賛金を集めて賄った。

 だが、告発文書では、その裏側でとんでもない協賛金集めがおこなわれていたと記されていた。

〈信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った。幹事社は■■信用金庫。具体の司令塔は片山副知事、実行者は産業労働部地域経済課。その他、■■バスなどからも便宜供与の見返りとしての寄附集めをした。パレードを担当した課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たず、うつ病を発症し、現在、病気療養中。〉(編集部注:伏せ字部分は原文では実名)

 県が補助金を増額し、それを協賛金としてキックバックさせていた。これがもし事実であれば違法性も問われかねない公費の不正支出だが、実際、補助金の予算は当初1億円だったにもかかわらず、片山副知事の指示によって4億円に増額。その指示がおこなわれた翌日以降、県内11の信用金庫がパレード開催のための資金を寄付していたことがわかっている。ようするに、告発文書にあったキックバック疑惑が事実であった可能性が深まってきているのだ。

 さらに重大なのは、告発文書で「病気療養中」とされていた課長についてだ。このパレード担当の課長は、今年4月20日に急死。斎藤知事の疑惑追及が強まったあとの7月23日になってようやく死亡が公表され、元局長と同じく自殺とみられているが、注目すべきは、告発文書において「大阪府との難しい調整に精神が持たず」と言及されていること。つまり、優勝パレードの協賛金集めをめぐるキックバック疑惑には、大阪府も関与していた可能性も考えられるということだ。

 なぜ、維新は党がギリギリに追い詰められるまで斎藤知事を庇ってきたのか。もしかして、その理由は、吉村知事が大阪万博のPRのためにぶち上げた「優勝パレード」の裏側でおこなわれた協賛金集めにあるのではないか──そうした疑念も浮かんでくるだろう。パワハラ疑惑の真偽も重要だが、徹底追及すべきはもうひとりの犠牲者を出してしまった「優勝パレード」問題であることは論を俟たない。

 そして、このように2名もの自殺者を生んでしまうような土壌をつくりあげた責任は、維新批判に弱腰の在阪メディアにもある。たとえば、大阪維新では昨年5月、大阪府議団代表によるパワハラ、セクハラが発覚したが、ハラスメント調査の結果公表までに7カ月も要したうえ、ハラスメントとして認定した5件の詳細を一切明らかにしなかった。さらに、吉村知事や松井一郎・前大阪市長による滅茶苦茶なコロナ対応や大阪万博、カジノ問題に対しても、在阪メディアは切り込もうとしてこなかった。

 こうした維新の杜撰さやインチキぶりをしっかりと批判する在阪メディアがいないからこそ、維新はもちろん、維新系知事である斎藤知事も図に乗った言動を繰り返してきたのではないのか。

 国政政党としても地域政党としても勢いを失い、ようやく維新批判をはじめた在阪メディアだが、これまで維新を持ち上げてきたことの責任は極めて重いとあらためて指摘しておきたい。

最終更新:2024.09.02 08:16

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